この小刀なんの小刀気になる繰り小刀その3・番外編・木屋・横手小刀90ミリ

この小刀なんの小刀気になる気になる繰り小刀〜その1・越堂繰り小刀編
この小刀なんの小刀気になる繰り小刀その2・助延正・繰り小刀編

坂光小刀の別銘を探すシリーズでしたが確証は得られないままここまできてしまいました。
私的意見ではおそらくアレとアレ(あえて明言せず)は坂光小刀だろうと思うところがあるのですが最終的決断はやはり読者の皆様の判断という事になるかと思いました。
また、私の見解では坂光小刀では無いという判断でしたが、すこぶる切れる越堂繰り小刀等を入手できた事は今後に役立ちました。


今回の件をSNSで共有したところいくつかの情報が寄せられました。
坂光小刀ではないか?と思われる銘として「玉仙」「木屋」等があり、「ふじ近」は坂光であるという意見と違うという意見の両方がありました。



タイムリーな事に木屋の横手小刀を入手できましたので御紹介したいと思います。
木屋は日本橋に本店がある刃物屋さんです


最近では一生モノの超高級包丁「コスミック團十郎」が有名ですが、実は千代鶴是秀の小刀を一番仕入れていた刃物店でもあり、小刀にはかなり拘りがある刃物店です。
現在WEBショップには小刀類は無いようですが本店にはあるのかな?東京に行く機会があれば寄ってみたいと思います。

スペックです。

仕様・自家鍛接鍛造
価格・3000円(オークション落札価格)
鋼材・不明
全長・195ミリ
刃長・45ミリ
巾 ・21ミリ
厚み・2.8ミリ
刃角度・22度

木屋の銘があると入札が増えます。
まぁまぁの値段になりました。






どうでしょう?坂光小刀に似ていませんか?

鞘は蝋引きされていて杢目も上下一致です。


21ミリの共柄切出し小刀とシルエットが似ているので並べて比較したいところですが盗難で行方不明中ですので叶わず。
手持ちの18ミリ共柄切出し小刀横手小刀140ミリと、まだ記事にしていない24ミリ共柄切出し小刀と並べて観ることにします。












鍛接線、裏のヘアライン、刃のボカシ、研ぎの仕上げ具合、ほぼ全て一致しています。

これらを鑑みて、この横手小刀は坂井久二さんの製作品と断言してもいいと思います。
全ての木屋銘の小刀が坂光とは言いませんが古い物だと坂光小刀の可能性が高まるでしょう。

切れ味は、、、切れます!
素晴らしい切れ味だ。

個人的意見ですが坂光の切出し小刀で21ミリ以下のモノは他の小刀を寄せ付けない切れ味だと思います。

坂光小刀は新潟県三条を代表する小刀だと思います。
傾向として小刀の名産地では鍛冶屋は違えど外観が似ているという事がありますので(弟子、兄弟子、孫弟子と脈々と受け継がれているから)坂光小刀に似ている!となると三条の鍛冶屋さんが製作されたモノと思って差し支えないでしょう。
そして、ハズレも引いた事は今までにありません。
つまり坂光小刀に似ているからという理由で購入しても失敗は少ない、そのように思いました。
引き続き坂光に似た小刀は収集していきますが一旦幕を下ろす事にします。