オークションで東大吉(アズマダイキチ)さんの繰り小刀が出品されていました。
青紙一号明記でこのような繰り小刀は珍しいと思います。即決で6千円は少々高いと感じましたが前回購入した横手小刀がすこぶる調子良く切れたのですっかり東大吉さんの小刀が好きになってしまいまして(手元にある切れない東大吉は見ないようにしています)、同じような見た目の繰り小刀もどうしても欲しくなってしまったのでした。
当サイトにおいて過去記事に書いた私見として思えば東大吉小刀は嫌いだったり好きだったり東大吉小刀に対してかなり気持ちが揺れ動きました。実際切れない小刀もありました。
総合的に見るとかなり切れる小刀の部類に入ると今は思っています。
今の所、銘で年代を判断する事はできていないのですがもう少し数を集めれば何かしらの答えが出るかもしれません。
スペックはこんな感じです
仕様・自家鍛接鍛造
価格・6000円(オークション価格)
鋼材・青紙一号
全長・255ミリ
刃長・135ミリ
巾 ・20ミリ
厚み・4ミリ
刃角度・30度
相変わらず30度と強気な刃角度ですがなかなかに切れます。
刃の根元は潰してあり、怪我をしないような配慮が見えます。
研いでみたい気もするのですがもったいない気もするのでした。
なぜかというと、題名の件になりますが、最近、とある小刀をあるショップから購入しまして、そのショップに東大吉小刀がありましたので(かなり高価で手が出ず)今の在庫を逃して次の入荷はありますか?と聞いてみたのですが、返事はNOでした。
東大吉鍛冶こと大東英一さんは御年92歳、既に引退されているとのことです。
つまりもうネットショップにある在庫かオークションやフリマサイトにたまに出たものしか東大吉小刀の入手手段はないのです。
ショックが大きいですねこれは。
以前東大吉さんの繰り小刀の刃だけを3枚(両刃小刀、ミニ切り出し小刀も)持っていたのですが盗難に遭い行方不明中というのが悔やまれます。
鍛冶のお仕事は重労働ですから大東さんには今後は平穏に過ごして何時までも元気でいてもらいたいですね。
昭和の伝説的な名匠が作った小刀達、大切に大切に使っていきます。