中長鋸製販さんの新製品ヤスリナイフエンジュ柄です。
剣先と先丸の2種類があります。
1320円とかなりお手頃で安いです、ヤスリナイフではなくてヤスイ(安い)ナイフです(オモんないですよね )安いですがめちゃめちゃ切れます。
刃先が究極のフルスカンジレベルまで研がれていて驚きました。
これは砥石というよりもバフ掛けで磨いて仕上げたのではないかと推測しています。
HRC硬度は61とのこと、焼入れ後に水で冷却する水焼入れを施しているそうです。
ヤスリナイフを製作する手順として
①ヤスリの硬度を下げて加工しやすくするための焼鈍
②整形、刃付け
③焼入れ
となるのが一般的ですがこの手順を踏んでいるかは不明で、元々水
焼入れしてあるヤスリをそのままなまくらにならないよう温度に気を付けながら整形している可能性もありますので機会をみてInstagramで中長さんに聞いてみたいと思っています。
水焼入れと油焼入れの違い
・水焼入れ
冷却速度:急速
硬度:高い
割れやすさ:高い
特徴:冷却速度が速いため、より高い硬度を得ることができます。しかし、急冷による内部応力で、割れや変形が生じやすいという欠点があります。
適した用途:比較的単純な形状で、高い硬度が必要な部品に適しています。
・油焼入れ
冷却速度:緩やか
硬度:水焼入れより低い
割れやすさ:低い
特徴:冷却速度が遅いため、割れや変形のリスクを抑えることができます。しかし、水焼入れに比べて硬度は低くなります。
適した用途:複雑な形状で、割れや変形が許容できない部品に適しています。
エンジュ柄も綺麗に丁寧に作られていますね。
槐(エンジュ)は中国伝来の豆科の落葉樹で比重は0.6とやや重い木です。
独特の模様が美しいので輪切りにしたコースターなどで知っている方も多いのではないでしょうか。
仕様・古ヤスリ再生ナイフ
価格・1320円
鋼材・炭素鋼
全長・130
刃長(刃渡り)・
巾 ・18ミリ
厚み・2ミリ
刃角度・17度
重量・30g
※柄が120ミリのタイプも重量以外は同じサイズになります
特筆すべき部分は峰の部分に厚みがある事です。
ヤスリはひし形形状なので幅20ミリ程度のヤスリでは峰も鋭角になってしまうので以前のヤスリナイフだと峰に親指を当てて使うのは痛くて難しかった。
今回のヤスリナイフは峰が3ミリ近くあるので親指を当てて押切りが楽にできます。
私が購入した柄が80ミリのタイプはサイズ的に机の引き出しに潜ませておいて鉛筆を削ったり荷物のガムテを切ったりするのにに適していそうです。
もちろんキャンプに持って行ってフェザースティックを作るのもお手のものでしょう。その場合は柄が120ミリサイズを選択するとさらに使いやすいです。
ホースを切って作った鞘は思ったより頑丈でリュックの中に入れても飛び出たり傷を付ける事はありませんがポケットに入れるのは少し怖いのでポケット用の鞘は自作が必要です。
これは売れるでしょう、実際エンジュ柄になったから注文が加速しているそうです。
初代ヤスリナイフは9000本(2025年だと15000本は超えていそう)の販売実績があって切れ味には絶対の自信が伺えます。
御本人のお話によると若い頃から同業者を廻って廃棄物である寿命のきた古いヤスリを集めまくったそうです。
それが今になってお宝の山になっているんですね。
でも、同業者の方達も廃業された方が多いので目立て用のヤスリ、しかも寿命がきた古いものは今後は入手が難しいと思われ、このヤスリナイフもやがて(この値段では)作れなくなってしまうでしょう。
私は即座に120ミリ柄をリピート注文しました。
サイト内で該当ページを探すのが難しかったのでリンクを掲載しておきます。
手引き鋸職人のホームページ NAKACHO HANDSAW ネットショップ Online Shopやすりナイフの販売ページ
注文はカートに入れてメールを入力して確定すると入金方法が掲載されたメールが届きます。入金完了すると発送されます。
私はGmailですが返信メールが一度迷惑メールと判断されたので迷惑メールじゃない報告をしました。なかなかメールが届かない方は迷惑メールのフォルダも確認してみて下さい。
本当におすすめです。