カネ大・繰小刀135ミリ・利器材だろうと気に入ったら買いまくる

銅巻きの繰小刀が安く出品されていましたて、銘も見た事がなかったので入札しました。
見るからに利器材だったし出品者が元業者さんの雰囲気があって兵庫からだったので池内刃物さんか三木章さんかおけやさんのOEM製品なのだろうとは思いましたがとても丁寧な作りに見えたので、ひょっとすると未知なる鍛冶屋さんかもしれないと淡い期待を抱きながら落札したのでした。

銅巻きは何本か紹介しています。

かなり安く落札できました




銘が大だとは思うけれど欠けていてKに見えたりしていたのですが後に買い増しして確認したところ大が綺麗に打たれたモノがありました

仕様・利器材焼き入れ
価格・1300円
鋼材・不明
全長・255ミリ
刃長(刃渡り)・137ミリ
巾 ・20.6ミリ
厚み・1.8-3.3ミリ
刃角度・31度
重量・102g

手持ちの昭三繰小刀とも雰囲気が違うし、比較のためおけや繰小刀を購入して比較したりしてみたのですがちょっと違うように思えました。


栄太郎繰小刀は一番近いように感じましたが刃角度は3度鈍角で槌目が違うかな?まぁ槌目は何種も持っているのでしょうけども。


研いでみて分かったのですが根本近辺がとても研ぎにくくて刃が全然出ないのです。

凄い力を入れるとやっと少し研げるのですが何かを削ると欠け易いのですね。
この事が栄太郎繰小刀と一致していまして刃角度は違えど同じ鍛冶屋さんが作ったのではないか?と思えました。
根本が研ぎにくい=焼戻しがされていないのか?意図的なのかは分かりませんが繰小刀は根本は最重要ではなく手が怪我しないように意図的に刃を付けない事もあるので面白い特徴の一致だと思います。


研ぎ上げてみると凄い切れ味に驚きました。
利器材だろうと相性の良い小刀に巡り合うと嬉しいですし予備も欲しくなり、他にもまとめて出品されていましたので追加で3本落札してしまいました。
他にもたくさん出品がありましたが最初こそ入札無く再出品されていましたが良さに気づいた方がいたのでしょう時間が経つにつれ入札が増えていました。




汚れたものや節のある鞘のもあったりして古いのか最近の製品なのかもっと分からなくなりましたが一本900円程度で落札できたので幸運でした。

3本同じモノを観察するとそれぞれの歪みが似ている事に気付きます。
繰小刀全般に言えますが「へ」の字に曲がっている事が多く、時間経過で鋼側に曲がっていくのだなと推測できます。

コジ棒で矯正する様子を動画にしてみました。
撮影下手で光の漏れ具合が分かりにくいと思いますが結構力を入れても折れないのだという事が伝われば良いかなと思っています。



歪みが直ると研ぐのがとても楽になりますので是非コジ棒を試してみてください。

初めて見たカネ大繰小刀は利器材ながらもかなりの切れ味を発揮して追い落札をしてしまうモノでした。
三木の鍛冶屋さんの製作だとは思いますが詳細が分かり次第お知らせ致します。