栄太郎・繰小刀135ミリ・ありきたりだけど貴重なヤツ

三木の商社・株式会社トップマン(徳富萬)の金物部門プロデュースの栄太郎シリーズの繰小刀です。
以前横手小刀を紹介しましたが改めて引っ張り出して試し切りしてみましたがとても良く切れます。
当時は池内刃物が作ったOEMかな?なんて思っていたのですが特徴を照らし合わせると違うかな?とも思えてきました。
三木って自分の銘では製作せずに問屋銘メインで活動している鍛冶屋さんも多いので完全に把握するのは難しいです。




仕様・複合材
価格・1500円(落札価格)
鋼材・不明
全長・258ミリ
刃長(刃渡り)・138ミリ
巾 ・20ミリ
厚み・1.1-2.8ミリ
刃角度・27度
重量・79g(鞘有)53g(鞘無)

表題ですが訳あって刃角度25度前後の繰小刀を手持ちの中から探していたのですがコレともう一本しかありませんでした。
木工用の繰小刀って刃角度30度以上が殆どのようで、やっぱりコジる(抉る)という用途からすると厚みがあって鈍角なモノが求められるのかな、と思った次第です。

そして27度ですから鋭い切れ味なんだろうなぁと期待して刃先を見ると,なかなか大きな小刃が施されていまして、切ってみるとやはり、というか全然切れません。
繰小刀というジャンルはニッチな人しか使わないから初期の研ぎは先ず自分でというのは当たり前という事か。

以前動画のコメントで新品状態なら切れないの当たり前じゃないの?
と頂いたのですが研げる方から出るセリフなんだなコレは。
小刀の普及を考えるとせめて最初は機械研ぎで構わないからある程度は切れる様にしておいて欲しいというのは願望なのです、初心者は切れなくなった時に最初の切れる状態を思い出しながら研ぎを覚えていき、やがてそれを超えていくのですから。
新品機械研ぎ状態でも恐ろしい切れ味の小刀はいくらでもありますから機械研ぎだというのは免罪符にはならないと思っています。
ただしデットストックであれば刃先に見えない錆があったりニスが塗布してある場合がありますので切れないと断じる前に革砥を当てるなどの試みは必要でしょう。


今回は残念ながら本当に切れませんでしたので研ぎます
シャプトン#120→KING#800→ロック・スター#3000→刃の黒幕#8000





写真は無いのですが柄のまま研いでいたら結局根元が研げなかったので刃を抜いて研ぎ直しました。

完全に小刃を消したのですが、そこを見せようと明度を上げると小刃があるように見えます、この部分はグラインダーで熱が入っていて反射がおかしいのかもしれない。
しばらく使って研ぎ減れば綺麗になっていくことでしょう。




切れ味はどうなったのか?

良く切れるようになりました。
切れ肌の艶が出ています。

次回の記事ではこの繰小刀を使って、ある試みをします。