茄子横手小刀135ミリ・ツヤツヤの茄子が美味しそう

トレードマークが茄子の刃物はオークション等で結構見かける事が多いのですが何故かライバルが多くて落とせずにいました。
見た目の作りが良い感じがするので入札が多いのです。
あまり高くはならない、皆さん分かってらっしゃって3000円以上は行かないかな…

過去にチェックしていたモノはどれも鍛接線が見られないので複合材を使用していると思われるのですが細部の作りを見るとプレス打抜きモノと断定できない雰囲気が漂っています。もしや複合材を火造りしているのかな…と。
おそらくその部分が入札者を惹きつけるのでしょう。

3000円以内でこのクオリティならば魅力的です。

鞘は蝋引きされていて鞘柄の木目が通っています


黒打ちが渋い


背中部分に割れがあります




鍛接線はないけれどもしかすると自家鍛接なのか?根元から鍛接していれば鍛接線は見えないが…


スペックです

仕様・複合材鍛造なのか
価格・520円(落札価格)
鋼材・不明
全長・255ミリ
刃長(刃渡り)・65ミリ
巾 ・24ミリ
厚み・2.9ミリ-3.2ミリ
刃角度・22度
重量・118g(鞘アリ)887g(鞘無し)

小刀が入っていた袋に見覚えがあります



おけや小刀、藤原小刀製作所のソレです


完全一致
因みに青い袋は三木章、一心堂義親は赤いサックが目印です



これだけで「おけや」だとは断定できないとは思いますが他にあまり見ないのも事実です。

切れ味は初期ニスのせいなのかイマイチなので研ぎます


機械研ぎの痕跡が全くないので一皮研いだら切れるようになるのではないかという淡い期待を胸にいきなりSHAPTON紫#5000で研いでみました


目論見は的中して軽く研いだだけで凄く切れるようになりました。
付き合いは長くなりそうなのでファーストコンタクトとしてはこれくらいで十分


歪みも少なく研ぎやすかったです


軟鉄と鋼の境目に少しだけですが揺らぎがありますので鍛造をしている可能性はあると思います


おけや小刀は錆びた磨き待ちの繰小刀しか持っていないので比較はできないのですが、今回の茄子小刀は今まで経験したことのない切れ味を感じましたのでひょっとすると藤原小刀謹製問屋銘なのかもしれないな、と思いました。


おけや小刀は手打ちモノがなかなか見つからなくて買えていないのですが入手次第御紹介します。


色々な小刀を持っていますが今だに新しい感覚の切れ味を感じるなんて本当に奥が深くて不思議な世界です。
そして520円でそれを感じる事ができてとても幸せな気分になりました。

小刀万歳!乾杯!