両刃繰小刀を天水さんに作って貰った

市場にはまず出回らない両刃繰小刀をコレクション(もちろん使うためもあります)するべく自作したりしてみたのですが、どうにもしっくりこない。
当然だよね素人だもの
某鍛冶屋さんに特注すると三年待ちだとか御値段五万円だとかちょっと理解できない回答しか返ってこない。鍛冶屋さんは廃業多数&跡継ぎ不足であるのに需要は高まって注文殺到と海外からの熱望オファーも関係しているのでしょうか、途方に暮れてしまいました。
その時天水(たかみ)小刀鍛冶さんのインスタ投稿がたまたま目に入り両刃や繰小刀(のように見えた)の試作品の写真がアップされていて跳び上がってしまった。
天水さんなら両刃繰小刀作ってくれそうだけど…
両刃繰小刀は作れますか?とメールをするとあっさり「作れます」と返事があり大喜び。
それから簡単な打ち合わせメールをして前回もそうだったようにこちらの意図を数回(今回は2回)のやり取りで酌み取ってくれたようだ。

2週間くらいで届来ました


おお!カッコいい!
想像通りのモノが出来上がってきた。

仕様・自家鍛接鍛造火造り
価格・非公開(性能を考えると安いと思う)
鋼材・白紙一号
全長・240ミリ
刃長(刃渡り)・137ミリ
巾 ・24ミリ
厚み・1.9-3.9ミリ
刃角度・25度
重量・64g

今回は繰小刀にありがちな30度以上の刃角度を嫌って25度〜27度にしてくださいと依頼しました


余計な言葉は要りません

朴の木の筍杢を使って鞘を作ります





せっかくカッコいい銘があるので今回は抜ける鞘にしました






天水さんの小刀は見た目がカッコ良く美術的要素もありますが作業用として即戦力になるのです。


〜私の作った小刀は見た目が良くて当然切れるのだ!〜
そう声たかだかに宣言してありえない値段で切れない小刀を作る鍛冶屋の小刀を何本も見てきましたが天水さんの小刀に限ってはそういう事はありません。

もちろん天水さんはそういった自慢げな投稿なども一切しませんし黙々と製作している様子が分かるので出来上がりが安心なのです。

時を忘れて無心に削る至福の時間。
次は持ち手も鉄の共柄両刃繰小刀を作ってもらおうと思っています