天水小刀。
タカミコガタナは高知在住の鍛冶天野氏が製作する小刀です。
独自のフォルムと黒肌が美しくて良く切れると評判です。
以前から欲していたのですが入手方法が分からず時が経っていました。
この度X(旧ツイッター)でフォローしている方から注文方法を教えて頂けまして無事2本入手する事ができましたので御紹介したいと思います。
最初に紹介するのは「不二の白」という鋼で打ってもらった七分の切り出し小刀です。
不二の白とは株式会社不二越が昔作っていた鋼で旧日立金属でいうところの白ニ号鋼相当の鋼だそうです。
株式会社不二越はNACHIというドリル刃で有名ですが自社鋼も製作しているようですね。
白ニ相当という事でマンガンやクロムなんかは入って無いと思われます。
ネット情報ではマンガンやクロムを含有しているという記事を見かけますが、そうなると青ニ号相当という事になりますし白ニ号の半分の値段という事から考えてレア金属は含有していないと思っています。
ただし不二越のHPでも不二の白についての記載がありません、よって本当の所は分からないのであくまでも予想です。
こういうレアな鋼を使って製作してくれるのも嬉しいポイントです。
一見すると鮎小刀のようなフォルムですが手に持つと使う事を第一に考えられているのだなというのがわかります、とても握りやすいです。
注文の時に形を聞かれまして普通の切り出しとインスタに載っているような曲がったヤツかを選択します。
鋼は青白黄不二ボーラーアッサブ等を選択して母材を極軟鉄か古鉄か両刃か片刃か?幅はいくつか?全体の長さや刃角度等をお知らせします。
私はインスタに掲載の曲がったタイプで不二白極軟鉄七分幅で刃角度は25度前後と注文しました。
刃角度は鎬の幅に左右されますので前後しても問題ありませんとお伝えしました。
スペックです
仕様・自家鍛接鍛造火造り
価格・公表していいのかわからないので非公表でお願いします
鋼材・不二の白
全長・225ミリ
刃長(刃渡り)・50ミリ
巾 ・20.5ミリ
厚み・3.8-5.1ミリ
刃角度・27度
重量・129g
突き詰めた形状
黒打ちも普通とはちょっと違うマットな感じでグリップが良い
巻鋼の様子
裏は千代鶴型ではない。
あえて言うなら坂憲(坂田憲治)のような、しっかり押してあるタイプ
銘切りが達筆
持ち手は峰側が丸加工してあって押して切る時には指が痛くならない
肝心の切れ味も申し分ない
刃角度は不二の白の場合27度が適正との事でそのようにして頂きました。
最初から丁寧に研ぎ上げられていて刃先はピンピンです。
観賞用では得られない切れ味に驚きました。
この小刀の製作過程の一部は天水小刀ブログ内2023/10/25の記事で御覧になれます。
値段については近年の材料費高騰で値上げ等がありますのでお知らせしませんが思っていたよりはずっと安かったです。
入手方法もこちらに書きたいのですが天野氏があまり宣伝されていないように感じたのでインスタで天水小刀と検索して直接天野さんにDMを送信して頂くか私のX(旧ツイッター)にDMください。
ブログを拝読していると体調と戦いながら鍛冶仕事をされているようで注文してから最低でも一ヶ月はかかりますが大丈夫ですかと尋ねられますので了承した方のみ注文して下さい。
これだけ切れ味が良くてデザインが美しいと作業が楽しくなります。
手持ちの小刀に不満のある方、切れ味を追求している方、是非天水小刀を手に入れてみて下さい。
満足は保証します。
八分はこちらで紹介しています