天水共柄切り出し小刀・八分・オススメの白紙一号

天水(たかみ)小刀の七分を入手してえらく気に入ってしまった私は直ぐに次の一本が欲しくなってしまいました。
七分を手にして一日しか経過していない、のにです。
ブログを拝見していると予備品が作られていたので売ってもらえないかと問い合わせました所、同じ物は売れてしまったが一緒に作っていた八分の予備がありますと言って頂き即座に買いますと返信をして数日後に無事に入手できました。


後に判明したのですが私の注文品(七分の不二の白)の予備を入手した方は八分の小刀を注文した方でした。
この方はX(旧ツイッター)で相互フォローしている小刀好きの方でして、オークションではお互いに複数同品を落札する事がけっこうありまして、歪みの矯正なんかの情報を発信していただける貴重な方なのです。
その方が私の注文した不二の白・七分の予備を入手して、私がその方の注文した白紙1号・八分の予備を入手したという訳です。
同じ小刀を落札したり同時期に注文したり、小刀好きの波長が合うのかな?
私は珍しい鋼を体感したいのと白紙2号相当の小刀が好きだったので不二の白を注文しましたが、その方は製作者である天野さんに白紙1号がオススメです、と薦められてそのまま注文したそうです。

白紙1号について簡単に紹介しますと

白紙1号は、日本刀に使われる玉鋼に近い鋼材と言われ、刃物の中で世界一の切れ味を誇ります。鍛冶仕事が最も難しく、鍛冶職人によって出来上がりが大きく異なります。

初代永弘は、最初は玉鋼だったようですが、 その後、イギリスで大砲の穴を削るハイスの 端材が輸入され、新潟港に上がったものを仕入れて、鉋に適するように鍛え直して鉋に使っており人気を取ります。
初代初弘は永弘の弟子として修業しますが独立後、師とは違う鋼、玉鋼を使って人気を 取ります。
日立製作所が鋼を造る時に参考にしたのが当時良く切れることで人気のあった永弘と初弘が鉋に使っていた鋼だったそうです。
永弘が使っていたハイスが元になったのが青紙で、初弘が使っていた玉鋼が元になったのが白紙です。

鋼について語ると十人十色千差万別で持論があると思うので研ぎ味切れ味については各自心中に止めてください。

現在(2023/11時点)では日立金属が検査不正を行って傾き、それから外資系に買収されてしまって日立の名前は無くなってプロテリアル株式会社になってしまいました。
白紙青紙黄紙という名前は今後も残るのでしょうか?
それとも今後はプロテリアルホワイトペーパーみたいな事になるのでしょうか?
検査不正はあったのかもしれませんが世界一切れるという名に恥じない白紙1号は健在、なはず!

スペックを見てみましょう

仕様・自家鍛接鍛造火造り
価格・公表は控えますがクオリティに対して安い価格です
鋼材・白紙1号
全長・230ミリ
刃長(刃渡り)・54ミリ
巾 ・24.2ミリ
厚み・4.7-5.2ミリ
刃角度・28度ミリ
重量・162g

届いたそのままで切ってみると、、、物凄い切れ味です。



持ちやすい丸み




裏の様子


最初から刃先がピンピンに研ぎ上げてあるので木材への食い付きが良く、滑ることがありません。
流石にオススメだけはありますね



刃先は強く靭性も耐摩耗性も問題なさそうです。
これらは使い込んで行くうちにもっと正体が見えてくると思いますので追って報告致します。

不二の白と比較すると不二の白がやや食い付きが落ちるのか?とも思ったのですが砥石を軽く当ててみると白一号に劣らない食い付きとなりました。

私程度の技術では鋼の違いを感じる事は無く、どちらも良く切れます。
八分はザクザクと荒削りや大まかな切削に、七分は中仕上げの少し細かい部分や緩やかなカーブなんかに使うと良いかと思いました。

天水小刀は使っていると時間を忘れてしまう不思議な小刀ですね。

本業を頑張ってお金稼いで、もっと天水小刀を注文するぞ!そう誓った日になりました。