新三郎横手小刀135ミリ新たな三郎系現る

少し前にオークションで入手したもの。
槌目と鍛接線の形からすると西口良次さんの作ったものに良く似ているがどうであろう?
西口さんの作ったものと思われるものには○三郎という銘が多いように思いますが、実は昭和三年生まれの新生児の名付けトップ1が昭三(池内昭三氏・林昭三氏)という名前で第3位が新三郎という名前だったらしいです。





御存知福三郎シリーズ祐三郎
※今回の小刀は西口さんの製作という根拠が一切ありません、似ていると思っているだけです。
カネヨシ銘の本家西口小刀
裏スキの形と鍛接線の感じが良く似ています。




福三郎横手小刀
こうして見ると福三郎横手小刀って槌目は似ているものの西口さんが作っていないかも?



と思えてきたりもします。比較観察は大事。

仕様・自家鍛接鍛造火造り
価格・1800円(落札価格)
鋼材・不明
全長・260ミリ
刃長・63ミリ
巾 ・22.5ミリ
厚み・3.3〜3.5ミリ
刃角度・25.5度
重量・102g

商標登録も既に消滅しているようで検索してもそれらしきモノは見つかりませんでした。
凄く軽いです。それが本家西口小刀と比較しての大きな違いかな?柄の材質の違いだけだとは思うのですが10g程度の違いでも長時間使うと差が現れるものです。

以前紹介した新三郎横手小刀とは全然違う人が作ったように思います。



同じ問屋から発売された別鍛冶屋製のものなのか、たまたま商標の被らない期間で同じ銘というだけなのかも不明です。

数値を比較してみますと(赤字が今回の新三郎)
全長・255ミリ(260ミリ)
刃長・65ミリ(63ミリ)
巾 ・24ミリ(22.5ミリ)
厚み・3.5ミリ(3.3〜3.5)
刃角度・26度(25.5度)
重量・110g(102g)

福三郎横手小刀との比較
全長・250ミリ(260ミリ)
刃長・63ミリ(63ミリ)
巾・21.5ミリ(22.5ミリ)
厚み・3.5ミリ(3.3〜3.5)
刃角度・26度(25.5度)
重量・105g(102g)

カネヨシ銘の西口小刀の数値(赤字が今回の新三郎)
全長・257ミリ(260ミリ)
刃長・63ミリ(63ミリ)
巾 ・22.5ミリ(22.5ミリ)
厚み・3.8ミリ(3.3〜3.5)
刃角度・27度(25.5度)
重量・115g(102g)


鍛接跡が少々隙間が開いていますね。晩年期の製作かな?
西口さんの作る小刀は鍛接線が違う期間もあるようで模索していたのか、最終的には左端がちょっと上がった形になったようですね。
あとは、裏の磨き傷を顕微鏡50倍で見るとカネヨシ横手小刀とはかなり似ていると判断しました。画像載せれなくてスイマセン。
小刃がキツイですがそのままでも切れます。
少し研いでみようと良く観察すると所々に厚みのバラつきがありまして歪みもあったのでコジ棒で矯正してから研いでみたところ恐ろしい切れ味になりました。



問屋銘を自分の都合よく特定するのは悪い癖。しかし愉しみでもあります。
今回の小刀は軽くてずっと使っていたい良い小刀でした。
西口さんの横手小刀はますます入手困難になっていますので、もしかして西口小刀かな?というモノでもありがたいのでした。