オークションでたまに見かける「裕三郎銘」の傘屋小刀。
傘屋小刀とは読んで字のごとく傘、和傘を作る職人が使う小刀です。
和傘の骨は竹を使うことがほとんどですので竹のような堅くて粘る材料を切る小刀ということになります。
どのように使うのかは全く不明です。
裕三郎銘とありますが、なんと西口良治さんが作った小刀という説明がありました。
以前から気になっていましたし、1500円ということもあり落札してみました。
別に傘を作らなくてもいいんです。
刃物は持ち主の意思で自由に使えば良いのですから。
裕三郎の刻印があります。
問屋銘で刃物を作ることはよくあることですが西口さんが自分の銘を打たないことがあるのか!と驚きました。
届いた小刀を見てみますと
すごく薄い!
データを見てみましょう!
仕様・利器材?火造り
価格・1500円で落札
鋼材・不明
巾・12ミリ
厚み・1ミリ
刃角度・14度
個人的採点まだ未知数点
コストパフォーマンス不明
厚みが1ミリで角度が14度?
こんな数値で竹が切れるのだろうか?
厚みがありませんので裏スキも作れません。
よってベタ裏。
到着した時は刃が立って(付いて)いなくて切れ味も悪かったのですが。
少し研いだらそこそこには切れるようになりました。
しかし、薄いから手が痛いです。
なんか使い方があるんでしょうね。
西口さん曰く、傘屋小刀が作れるようになったら小刀職人として一人前なんだそうだ。
そして重要なポイントは
硬い木を切るには柔らかい刃
柔らかい木を切るには硬い刃
ということらしい。
硬い刃柔らかい刃というのは焼戻しの加減なんだろうけれど、その理論に基づくと今回の裕三郎小刀は柔らかい刃ということになるのだろうか?
中砥に直ぐに反応する感じは柔らかい刃という判断でよいのかな?
結局、悩むばかりで迷宮に入り込みながら砥石を変えては模索しています。
また結果報告致します。