吉久横手小刀110ミリ・類を見ない裏を持つ小刀は激ヤバだった

ナイフとジッポライターのお店「阿佐ヶ谷しんかい」さんのヤフーアカウントから出品されていた謎小刀です。
謎、、、と言っても私が勝手に騒いでいるだけなのですが、まず「吉久」という銘も聞いたことがありませんし検索してもコレという結果がでてきません。
まだまだ知らない小刀が沢山あります、私は知らないことを知らないのです。
特筆するべきは独自性の高い裏の形状にあるかと思います。


抉(えぐ)れが深くベタ面積が広そうです。
千代鶴裏とは全然違いますし、鑿の三枚裏のような深さに見えます。こんなの↓


ちょっと見たことが無いですね。阿佐ヶ谷しんかいさん、けっこうマニアックな商品置いてます。。。
観賞用系なのか、実用系なのか判断に困るところでして、実際長いあいだ入札がありませんでした。
お手頃価格でしたので話のネタに入札してみました。
手元に届いて二度目のビックリです。


この裏は本当に深くて独自だなぁ、深すぎないか?という驚き。。。
あまりにも深いと表から研ぎ進めていった時に穴が空いてしまうのではないの?
深く抉れているので必然的に鋼が分厚いです。


鋼は薄い方が良いというセオリーなど知るものか!といったところでしょうか。
スペックを見てみましょう
仕様・自家鍛接鍛造火造り
価格・4200円(落札価格)
鋼材・不明です
全長・243ミリ
刃長・60ミリ
巾 ・22ミリ
厚み・3.6ミリ
刃角度・23度
吉久という銘は柄に隠れていて見えませんので一見すると無銘の小刀に見えます。
鞘柄も八角形で手作り感が出てますね。


なんだかカッコいいと思えてきました。

鍛接不良が一箇所ありました。

当然ですがガンガン使います。これは観賞用にしておくのは勿体ない。

箱出しの状態で、、、、切れる!めちゃめちゃ切れます!驚きました。
ベタ裏と言ってもいいくらいベタ面積が広いですが、モノともしないで凄い切れ味です。
常日頃から提唱しているベタ裏でも切れるという事を証明してくれる小刀です。


箱出しでフルスカンジに研がれていますが下方10ミリくらいの所に引っ掛かる箇所があります。
※試し切りが過ぎて鎬面が荒れてます御了承ください

色々切ったり削ったりして動画にしてみました。

また大好きな小刀が一つ増えました。