錆びだらけの繰り小刀を磨いたら美しい小刀が出てきたよ

錆びだらけの小刀二本がオークションサイトで安かったので購入しました。
二本とも良い小刀だと確信があったからです。
ライバルも出ず二本で2500円で購入できました。

今回はそのうちの一本を紹介します。


錆の酷い方です。
錆があまりない方はちょっと驚きの小刀でしたので次回紹介します(ここにリンクします)

裏を見ると(安来鋼)という刻印があります。

わざわざ刻印している意味が気になりますが、経験上30年以上前の小刀や鉋に安来鋼の刻印が多いと感じています。

当時の流行りなんでしょうか、その昔粗悪品が出回った時期でもあったのでしょうか。
最近は(青紙)(青鋼)と入れるだけで(もちろん青紙鋼の使用が前提で)売れ行きが段違いだそうです。
わざわざ鍛冶屋さんやメーカーに青紙なのか問い合わせする方が多いので使用鋼の刻印が増えたとも言われています(鍛冶屋さんに直接電話するのは鍛冶屋さんが仕事にならなくなるので控えましょう)。

もしかすると、鍛冶屋さんの仕事場で色々な鋼の扱いがあって焼入れ温度の関係上区別の為の刻印というのもあるかもしれませんね。
何れにせよこの(安来鋼)という刻印は最近の製品ではあまり見ることはありません。

もう一つの刻印は錆びた状態では判読不可能です。
錆を取って読めるようになればいいのですが、、、。

スペックは以下になります

仕様・自家鍛接鍛造火造り
価格・1250円(オークション)
鋼材・安来鋼
全長・260ミリ
刃長・135ミリ
巾 ・19ミリ
厚み・3ミリ
刃角度・36度

刃角度が凄いことになってますね。杉なんかの軟材は厳しいかな?という印象です。

先ずは刃全体の様子を見ます色々方法はありますが、白い紙にかざしたり、蛍光灯にかざすと分かりやすいです。
今回は我が家の蛍光灯にかざしました。



かなり反ってます。
経年変化だと思います。
この反りを踏まえて研ぐプランを考えていきます。

次に木工用ボンドでパックしました。

酢酸ビニールが原料のタイプです。
タイトボンドを使うと剥がすのが大変ですから使わないのが賢明です。

ボンドパックしてもイマイチでした、錆が多すぎるし、深すぎる。

この辺りからハートに火がついてしまいました。ここからは総力戦です。
酸は使わずにペーパー系を駆使して錆を落としていきます。

本当はユーチューバーの圧倒的不審者さんのように磨く経緯を撮影すると分かりやすいのでしょうが必死になっているので無理でした。

ナニワ砥石の曲面砥石なんかも持ち出して裏をジョリジョリ表をジョリジョリします。

消しゴムタイプのドリル砥石なんかも使います。

ピカピカになってきましたがここで悲報が届きます。


先端部裏に致命的なヒビ割れがありました。
鋼に亀裂が入っています。
経年変化の反りに鋼がついてこなかったのでしょうか、それとも穴を抉ったのでしょうか。

もし、この部分を完全修復しようとすると大きな改造をしなくてはいけません。


私は決断しました。
とりあえず見なかった事にして研ぎ進めようと。。。。

作業用の繰り小刀は何本も持っています。
グラインダーで大きな修整を加えるのは好きではないので時間を掛けて育てる研いで遊ぶ繰り小刀というのもあっていいのです。
(凄い言い訳ですが)

仕上げですが、私はながら人なので、テレビを観ながらお酒を呑みながら数日かけて磨いていきました。
実際には5時間くらい触ってたかな。

裏の銘は(山月)又は(小月)に見えます。

ピカピカになりました。

鞘も一削りしてシーラーを塗りました。


切れ味もなかなかです。
杉の割り箸はややつまずく感じですが堅木に対しては無敵かと思います。