15年ほど前に初めて買った横手小刀です。
当時ギター製作を始めようとして訳もわからずホームセンターで2000円程度で購入しました。
仕様
価格2000円くらい
鋼材SK5利器
巾23ミリ
厚み3.3ミリ
刃角度22.5度
個人的採点68点
コストパフォーマンス中の下
｢あと少し何かが足りない感がモヤモヤする｣
いわゆる量産打ち抜きオーブン焼きタイプのものです。
刃角度が鋭角気味で表も裏も平面とは程遠く、直ぐに刃こぼれを起こして切れ味はイマイチに感じて研ぐ事にもチャレンジしました。
包丁の研ぎには自信がありましたのでピンピンに研いでみたのですが即刃こぼれを起こしてしまいました。
試行錯誤の末に小刃という刃先を強化できる研ぎ方に辿り着き(昔からある手法ですがたいていの人は自然と発見します)そこそこ満足できましたが、ギターは硬い木を使いますのでそこそこの満足では物足りない日々が続きいつしか引き出しの奥に追いやって使う事がなくなりました。
10年ぶりに使用してみた時、恐ろしい程切れ味が増していました。
何もしていないのに・・・です。
どうやら放置していたことにより鋼が良い方向に変化する・・・という事が現実にあるようです。
寝かせれば寝かせるほど良くなるなんてまるでお酒のようですね!
また、研ぎ減りして厚い部分に後退していくと焼入れ時に薄くて脆かった部分がなくなって本来の丈夫な部分が出てきたことによって切れるようになるという説もあり。
更には個体の特性を知り尽くしたことによって研ぎにて最大限の性能を引き出せるようになったという説もある。
あれだけ刃こぼれが激しかったのにほとんど刃こぼれしなくなっていて2度ビックリです。
思えば古くて安い切り出しを買い求めるようになったのはこれがキッカケです。
裏側に致命的な非平面部分がありますが切れ味には関係ない部分ですので時間をかけて平面にしていこうと思います。
購入当時は使えなかったこの小刀、今では十分レギュラーになりますね。
槌目仕様は賛否両論あると思いますが私は余り好きではないです。(好きな人は大好きのようです)
利器っぽい(先入観です)ですし、穴に水分を保持して錆びやすいですし、レギュラーではありますが代打止まりの理由は槌目にあるのかもしれません。
