※2022/07/28追記:この記事で紹介しているベアリング付きガイドを製作しているミヤイ製作所に問い合わせをした方から情報をいただきました。この製品は製造廃盤となりました。現在私によるプロデュースで同等品を製作できるか模索しています。
題名を見て
「なんだよバンドソーって?!小刀関係ねえじゃねーかよ」
という声が聞こえてきそうです。
確かに直接は関係ないのですが小刀の自作柄を切り出す時や小刀を使う小物をカットする時、例えば自作の木の箸を荒取りしたり、ククサを荒取りする時、小さなお地蔵様や仏像を彫る前に荒切りしたりする時には本当に役立ちます。
鋸の数十倍の速度と数十分の1の労力と時間でお仕事をしてくれます。
少し前に当サイトにてククサ刀を自作した記事を紹介しました、その時にチラリとバンドソーの写真を載せまして、更に柄のメイプル材の虎模様の合わせ目がピタリと合った写真を載せたのですね。
そうしましたら、その写真からバンドソーの機種が特定されまして、DMでこのような質問が来たのでした。
「同じバンドソーを持っていますが貴記事の写真のような精度はありません。実際は鋸で切ったという事ですか?」
いやいや、私の鋸切りテクニックときたら酷いモノであんなに綺麗に切れませんよ。
実は私もこのバンドソー購入当初は精度の悪さに辟易したのでした。
かなり調整に苦しみながら最後に解決できたので記録を残しておこうと思った次第です。
※長文ですので改造の様子だけを知りたい方はここをクリック
ある日フリマサイトを閲覧していましたら殆ど使用していないRYOBI−TBS80というバンドソーが格安で出品されていました。
反射的に購入てしまいましたが、購入後に取引メッセージでこのように言われました
「新品で購入して殆ど使用していないのですが、不良品なのかはわかりませんが真っ直ぐ切れません。そのことを了承してノークレームノーリターンでお願いできますか?」
RYOBI−TBS80はなかなかの曲者ということはネット記事で知っていましたが初期調整には自信がありました。
仕事でアサダやマキタの手持ちバンドソーや置型ロータリーバンドソーを使いこなしていましたので大丈夫だろうと了承して購入したのです。
到着した品物は箱が無く出品者の方が使用していたそのままの状態でした。
早速そのまま木材を切りましたところ絶句してしまいました。
「ええええ?!」
ガガガガガガーーッという大きな唸り音とともにどんどん斜めに切れていくではありませんか。
(力を入れないと鉛筆の線くらい曲がっていくのです動画無くて申し訳ない)
これは酷い。
すぐさま説明書を読んで原因を究明しようとしたのですが、どこにもおかしな所は無いように思えました。
鋸刃のテンションを変えたりスピードを変えたりしても効果は無く、やはり刃を押さえるガイド「セリガイド」に問題がありそうです。
セリとはどういう意味なんだろう?説明書に従ってシビアにコピー用紙2枚ほど入る調整にしましたが(これ自体シビアな要求だと思います)真っ直ぐ切れません。
そのうちバキン!と刃が折れてしまいました。
ええええ?刃は古くなかったぞ???
替刃がなかったのでAmazonで直ぐに購入したのですがレビューを見てビックリです。
とにかくすぐに破断します。耐久性が全くありません。どんなに慎重に扱ってもダメです。無理な力をかけるとか、あらぬ方向に無理に曲げてとか、そんな扱いは一切していません。単にゆっくりと送る直線切りです。バンドソー自体の調整も丹念にやっても無駄でした。リピ買いしてますが、もうこれで終わりにします。
うん、無理な力をかけるってこれ自体おかしな話です。
仮稼働で破断してしまう事があります。耐久性は正直「最悪レベル」です。こちらとは違うタイプの非鉄金属用など、その他2種類ほど使いましたが、パドック材を切っていた時に、4回目くらいで破断し、その他は一週間ほどしか持ちませんでした。下手したらSK11の1430の商品の方が良いのではないでしょうか?
流石に刃の性能を疑うより本体を疑った方が良いと思います。
もう40本以上購入しています。 使う頻度にもよりますが、1か月持てば御の字です。 交換してすぐに切れる時もありますし1週間もたずに切れてしまこともあり、粗悪品と認識しつつも使っています。 (交換してすぐに刃が引っかかる感じの時もあり
切れるバンドソーを使った事がないとこういうものか、とズルズル行ってしまうのか、、、40本だと高価なバンドソーの本体が買えましたね。
いやはやなんとも、不吉な事ばかり書いてあります。
バンドソー刃は熱で焼き戻ると直ぐに破断しますし横からの熱には特に弱いです。
付属のセリガイドと接触する部分は熱が発生するようなのでこれが原因の一端ではないでしょうか?
念の為に予備として他社の近い長さの替刃を購入しておきました。
そしてセリガイドです。
ここの部分はやはりベアリングに変更するべきでしょう。
TBS80の前身モデルTBS50(HOZANやPROXXONのOEMモデル)はベアリングガイドが付いているのに何故グレードダウンしたのでしょう?コストの問題かな?
ベアリングは一個数百円くらいで私の勤務する会社にも新品在庫がありますし(失敬するのはダメですが)、アルミの無垢材もありますし動工具もありますのでいくらでも自作できます。
しかし、そのような恵まれた環境の方が多いとは思えません。DIYの延長線で選んだRYOBI−TBS80だと思うのです。
そういう方達の為に人柱となり、ネット上で販売されているTBS80専用カスタムパーツを購入して装着する事にしたのでした。
購入先はミヤイ製作所です。
※製造廃盤となりましたのでリンクはしていません。
このサイト、ちょっと怪しい感じがしました。
最終更新が古いようですし、お値段がまぁまぁ張るせいか、このガイドを購入して装着した情報が少なすぎて、果たして稼働しているサイトなのか?元々稼働していたサイトのソースを丸パクリして完成した詐欺サイトではないのか?お金を振り込んだら最後、商品は永久に来ないのではないか?
様々な不安が過ぎります。
Googleで検索すると大阪に会社は確かに存在します。
とりあえず問い合わせをしてみようとしたのですが、問い合わせフォームにはいきなり住所情報を入力しないといけないじゃないですか!
なんか、、、嫌だなぁ、、、中国からタネ送って来そうじゃないですか。。。
ここでUターンした方も多いのではないでしょうか?
私は少し工夫して建物名は書かずに問い合わせをしました。電話番号は泣く泣く入力しました(変なSMSきたら嫌ですもね)。
小一時間でお返事が来ましてサイトは有効で通販も可能という事でした。
これだけでは信用できないのですが思い切って6500円+送料を支払う事にしました。
振り込み先が会社名になっていましたので大丈夫だろうと判断したのです。
6500円はまぁまぁな値段ですから勇気いりますが、今後替刃に大金を払い続けるのは困るので思い切って振り込みましたね。
正直、審査のあるShopifyとかで通販を展開してくれたらよかったのになぁという思いはあります。
心配を他所に2日後には商品が届きました。
流石、製作所謹製、精度は良いですね。
早速取り付けます。
簡単に取り付けられますが、TBS80本体の精度に問題があり本体のガイド部分を少し削り取る箇所がありました。
工場を中国に移設するのはいいけどいい加減な仕事は無くして欲しいですRYOBIさん。
取り付けに関しては詳細必要無いと思いました。簡単なんです。
六角レンチは絶対に必要という事だけ押さえておけばいいと思います。
修整を入れて15分程で交換して(修整がなければ5分で交換できます)、早速切ってみました
キュュイーーーン!
お?静かになってる!
「オオオオ!切れる!真っ直ぐ切れるぞ!すげー!」
当たり前の事なのに妙に感動してしまいました。
金属みたいに硬い秘蔵の紫檀から厳選粘りのマホガニーから本柾目杉までガイドを使わずにフリーハンドでほぼ真っ直ぐに切れます。
力もいらないですし静かです。
(集塵機に繋いで使うとそれなりの音はします)
これが本来の切れ味なんですね。
私は色々なバンドソーやコンターマシンを仕事で使っていた経験がありましたので「このバンドソーはおかしい」と言う事に気付けましたが、初めてバンドソーを使った方だと「こういうものなのかな?」と思うのも仕方の無い事だと思います。
沢山の替刃を破断して「おかしい」と感じた後きっとこのサイトを観ていると思います。
ここまで読んだ貴方は必ずや次のステップへと進む事でしょう。
そう願っています。
いや、お金使って交換するだけだから偉そうなこと言うなって話ですね。