前回、木製マグカップ作りにハマっていることと小さな繰り小刀を見直した事をお伝えしましたが、その流れで自作ナイフも視野に入れなけれ駄目なのかなぁと思った次第です。
手元にハイス鋼の板がありましたので思い切って作ってみることにしました。
※以前作った丸棒による極小ハイス彫刻刀。
このハイス鋼板は中国製で2本組800円くらいです。
中華炭素鋼は不評ですがハイス鋼の方は評判良くしっかり切れるものができるのではないかと思っています。
ハイス鋼は焼入れ済ですのでグラインダーやヤスリで整形します。
炭素鋼と違って焼き戻りの温度が550度~650度と高温ですのでグラインダー整形が可能なわけです。
注意点は一応バケツ等に浸け水を用意しておいて数分削ったらジューッと水に浸けて冷やしてください。
焼き戻り温度が高いので、まず焼きが戻ることはありませんので大胆に整形しましょう。
削っているところを撮影したかったのですが会社で行ったためコンプライアンスの関係で断念しました。
双頭グラインダーやベルトサンダーが理想ですがベビーサンダーでも可能です。
※写真は参考画像
今回製作したナイフは[繰り小刀のように長く][繰り小刀より細く][弾力性に富む]をコンセプトにしました。
真っ直ぐな切刃だと研いで行くと不都合が生じますがハイス鋼の刃持ちを信じてあえて真っ直ぐにしました。
刃角度は26度に設定しました。
柄を作っていきます。
メイプルの虎斑材を使いました。
最近購入したRYOBIのバンドソーで切っていきます。
真っ直ぐ切って継ぎ目をピタリと合わせたいものですが果たして上手くいくのか。
鋸目ができたのでカンナで平らにしていきます。
作ったナイフの根本の部分を三角に切っていますが、こうする事によって抜けないのでやってみてください。
彫刻刀等で溝を彫った後に瞬間接着剤で固定し、その後木工用ボンドで接着します。
せっかくの杢目がズレるのは嫌ですから穴を空けてタボを打ち込み滑ってズレないようにします。
木工カムクランプでしっかりと固定します。
この便利なカムクランプは楽器製作家の間では当たり前の物ですがまず日本では売っていません。売っていたとしても高価で粗悪品が多いです。
私はスチュワートマクドナルドで買いました。
自作もできますのでYou Tube等を参考にして作ってみるのもいいかと思います。
接着したものをざっくりとバンドソーで整形します。
小刀で整形して完成です。
着色をしてラッカーで塗装しました。
着色することにより杢目が綺麗に浮き上がり、ぱっと見では継ぎ目がわからないほど上手く合わさっていますメデタシメデタシ。
研ぎはシャプトンオレンジ等で下地を作りKING−G1で仕上げました。
刃の角度が決まるまではなかなかに苦労します。
グラインダーだけで仕上げても問題ないと思います。
細部に届く使いやすい小刀が完成しました。
整形から最終研ぎ仕上げまで3時間程度で完成しました。
素人が自家鍛接で刃物を作ろうとすると数万円と数週間を要することを考えるとかなりお手軽で入門にはもってこいだと思います。
仕様・ハイス鋼削り出し
価格・400円
鋼材・ハイス鋼
全長・240ミリ
刃長・95ミリ
巾 ・8、5ミリ
厚み・2ミリ
刃角度・26度