送料無料にする為美貴久105ミリと抱き合わせで購入した美貴久135ミリです。
お値段は破格の千円!(定価は3000円前後)
なぜこんなに安いのかは未だ謎なんですが、利器材(複合材)嫌いの私でも、「仮に切れなくてもイイや千円だし…」という気持ちで買いました(作った方たちに失礼な話ですよね)。
しかし、利器材にたいしての大きな偏見であった事が良くわかる品物でした。
私の趣味であるギター製作には小刀や鉋、特に小さな鉋(細工鉋)を多く使うのですが、職人の方たちは自分で鉋刃を切って鉋台を作って仕込むのが当たり前の世界らしいのですね。
でも、生業を持ちながら趣味で製作となると時間的制約で仕込みの修業などをしている時間が無いのです。
ですからなるべくイメージに合う形の鉋をネットで探して購入したりします。
オークションでお世話になっている富士久さんという鉋鍛冶さんが居られるのですが、この方は利器材を使って素晴らしい切れ味の細工鉋を作っていて私は南京鉋など何丁も持っています。
富士久さんはブログで利器材について詳しく解説されていまして、私にとってこの方の「利器材だろうとちゃんと作れば手打ちと遜色ない」という言葉はとても説得力を感じる事ができるのです。
なにせ、この方の鉋を実際に使用して切れ味を実感しているわけですから。
今回、美貴久シリーズを手にした印象も「しっかりした作りだな」というものでした。
利器材だろうと十分に使える。
そしてこうしたレビューを書き残すことによって購入に迷っている方たちの手助けになればいいと思っています。
(昭三シリーズ磨き105ミリとの比較。下が昭三)
仕様・利器材冷間鍛造
価格・1000円
鋼材・白紙2号(と思われます)
巾・24ミリ
厚み・3ミリ
刃角度・18.5度
個人的採点86点
コストパフォーマンス93点(1000円とした場合)
特徴としては薄めで鋭角仕上げ、小刃は必須という作りです。
昭三シリーズとは明らかに違う意図(昭三シリーズは厚さ3.5ミリ刃角度20度程度)がありますね。
用途によって使い分けができそうです。
柄の太さですが昭三シリーズの方がやや太いです。
これは個体差でしょうか?意図なのか?今のところ不明です。
また、初期段階では昭三シリーズは蜜蝋(はっきりはわかりませんが)を塗っているような感じですが美貴久は木のままの仕上げです。
切れ味ですが105ミリは最初の切れ味が悪かったのですが、この135ミリに関しては最初からスパスパに切れました。
やはり小刃が付いていまして3000番程度の仕上げ研ぎだと思います。
鉛筆の芯を削っても欠けたりはしません。
もしこの小刀が1000円で売っていたなら迷わず購入しても多くの方が後悔は無いと思います。
追記:何度も使用しているうちに3ミリという厚みだと堅木を切る場合親指が痛くなる事を報告します。
(上が美貴久、下が昭三。昭三は0.5ミリほど厚いです)
ややR加工されている昭三シリーズ。
こんなに少しの事で使い心地に差が出る。
あまりにも使用時に痛いのなら鉄ヤスリで加工するのもアリでしょう。
安価な製品だからこそ、そういった試行錯誤もできるのかも。