三条の問屋さん銘の音丸小刀が
共柄切出小刀24ミリと横手小刀と揃いまして、一年かけて繰小刀も揃えてみました。
三条のメジャーなあの職人さんの手によるモノです。
他にはマキリ小刀もあるようですが、とりあえず木工に使う小刀としては3兄弟が揃いました。
特筆する事もなく本当に実用的な切れる繰小刀です。
仕様・利器材火造り
価格・2000円(オークション価格)
鋼材・白紙でしょうか
全長・250ミリ
刃長・132ミリ
巾・20ミリ
厚み・3.3〜3.7ミリ
刃角度・33度
この繰小刀はなかなかに捻くれ者です。刃角度が33度のせいか砥いでも思うような切れ味が出ないのです。←下手なだけ説
坂光繰小刀や東大吉繰小刀と比べると切れ味が雲泥の差なのです。
色々と砥石を変えて試してみたのですがイマイチ切れません。
ヤケクソ気味にサンドペーパーで磨いた後にピカールで磨いて刃先も綿棒にピカールを付けて擦ってみたらかなり切れるようになって驚きです。
この鎬面についてですが皆様は霞んだように刃紋がわかるような研ぎ方をしていますか?
自分はイマイチよく分からないのですが天然砥石なんかで研ぐと鋼部分には付かない傷が軟鉄部分に付いて霞んで見えるのだ、という人が居たり、内曇砥というので研いだものが霞と言うのであってこの場合はけっして傷などではない、という人が居らっしゃったりと私の勉強不足で何が本質かよく分からないんです。
包丁のメーカーさんのホームページなんかを見ると鋼と軟鉄の境目を浮き立たせる為には
・内曇砥で研ぐ
・中目の砥石で傷を付けるように研ぐ
・砥の粉を吹き付ける
概ねこのような事が書かれているのですが、この刃紋を浮き立たせる事に化粧的な意味合いの他には何かメリットがあるのかどうか、例えば野菜を切るときにはスベスベピカピカだとくっついて切り離れが悪いとか、防錆性が向上するとかは殆ど書かれていないですし、防錆という観点からすると傷という事なら錆びやすいようにも思うのです。
私は新しく小刀を紹介する時は研ぎ上げた後に軟鉄部分だけに中砥をかけて境目が目立つようにしている事もあります。
小刀の場合ですが木材を削るときには刃先を過ぎる木材の排出の役目をする鎬面が傷が付いた状態とスベスベピカピカな状態のどちらが切れ味が良いと感じるかが焦点になると思うのですね。
これは明白でこの部分にニスが塗られている状態では殆ど切れない事からもわかるように鎬面が切れ味に影響しているのは間違いないのです。
現状私は傷を付けなくても曇ってくれるような砥石(が存在するのならば)は持っていませんし今後も入手はできないと思っていますので曇らす事よりもなるべくスベスベピカピカにすることに力を注いだ方がいいのかなと考えております。
そうするとバフ研磨もしたいので双頭グラインダーが欲しいところなのですが家に置けもしないので、歪み取り→砥石→水研ぎサンドペーパー→ピカールでなんとかやってます。
繰小刀は歪みも多いので砥石だけではピカピカにならないので苦労しますが切れるようになった時には達成感に包まれます。