椅子という銘の小刀75ミリ・先が折れていたから直した

椅子のマークが刻印された小刀です。
とても小さく梅心子國光の小さな横手小刀よりは大きく助友さんと同じくらいです。




こんなにも可愛らしいのにちゃんと鍛接線があるのです。



大きな小刀と手間は殆ど変わりません。
大きいから高い、小さいから安いという思い込みもあるかと思うのですが手間が同じとなると小さい小刀でも高い場合もあったりするのかな、と思います。
スペックはこんな感じです。
仕様・自家鍛接鍛造
価格・1000円(オークション)
鋼材・不明
全長・187ミリ
刃長・45ミリ
巾 ・20ミリ
厚み・2.7ミリ
刃角度・27.5度

以前大きめな135ミリくらいの椅子マークの横手小刀を見かけた記憶があり、当時、良さげな小刀だな、と思っていたのですが直ぐに即決で落札されたので、ちょっと後悔していたのでした。


商品説明の写真ではこの様に撮っていたので予期せぬ部分に隙間があって驚きましたが、まぁ、工作には使わないだろうから気にしないことにします。


力を入れ過ぎると抜けそうで怖いですよね。


更に先が折れていましたので直します。このままにするとドンドン欠けてしまう事がありますので。
先の直しは荒砥やコンクリートで行います。
グラインダーでもいいのですが焼きが戻ると嫌なので本当に酷い場合以外は手動で行います。※どうしてもグラインダーでやる場合は思っているより焼きが戻りますので水に浸して冷やしながらゆっくりゆっくりやりましょう。
※焼きが戻ると二度と焼きを入れる事はできなくなり、いわゆる「なまくら刀」になりますのでご注意を。
今回の場合はマジックラインの様に成形しようと思いますが、切っ先の中心が変わるので注意が必要です。




普段穴を繰る為に使用していたならば別の小刀になったような感覚に陥るかもしれないので、それが嫌ならば下写真の様にマジックラインを研ぎ減らすか新品の予備を下ろして格下げにするかを考えましょう。
今回は最短コースで切っ先の中心変更を選びました。
荒砥で50往復したところです。
砥石は凄く減りましたがもう研げました!軟鉄部分だから早いです。




その後はニューケント硬口に金剛砂120を振りかけて最短で面を修整しましたが先端と下端が湾曲していて砥石に当たりませんのですくい上げるようにして砥石に当てました。
※金剛砂の件は真似しないようにお願いします。





響1000→響3000→響8000で仕上げました。




刃角度が27.5度ありましたので小刃は無しです。


研ぎやすいし、とても良く切れる小刀になりました。
これは、小さな巨人と言っても過言ではないほどよく切れます。
椅子銘の大きな横手小刀も欲しくなってしまいました。

それにしてもどうして椅子マークを銘にしたのでしょう?由来を知りたいところですが歴史に埋もれたミステリーとなってしまいました。