現在は廃業されている三木の池内和明さんが打った竹屋小刀です。
当サイトで紹介した事のある和明繰小刀は中々に切れ味の良いものでしたし和鉄云々という箱書きも魅了的です。
竹屋小刀というのは耳馴染みが少ないと思いますが、竹細工の材料、竹の幅を決める(切る)ための小刀なのです。
20年くらい前(2000年前後)はネットショップやオークションで良く見かけて何時でも購入できるという思いもありましたし、竹細工をやらないワタクシにとって竹屋小刀は短いので転用が難しかった事から敬遠していたのです。※一般的な切り出しと比較右側二本が今回の竹屋小刀です
しかし昨今の鍛冶屋さんの減少、竹細工職人の減少によって需要が極端に減ったためか既製品としては美貴久くらいしか見つかりません。
本来複合材で作られていて職人のための安価な製品のはずが特注しないと入手できない代物になってきているのです。
ややや、これは収集して置かないとまずいでしょう、、、ということで職人さんの入札を邪魔しない程度に参加して無事に落札できました。
竹屋小刀は二本、左右で組になっています(使い方は後ほど説明します)
仕様・自家鍛接鍛造火造り(複合材かも)
価格・2300円(落札価格)
鋼材・青紙2号
全長・140ミリ
刃長(刃渡り)・55ミリ
幅 ・21ミリ
厚み・2.6-2.8ミリ
刃角度・20度
重量・47g✕2
左右が完璧に同じサイズでした。
裏に鍛接線がありませんが箱書きに純和鉄使用と書いてあるので複合材ではなく自家鍛接しているのかな?とも思ったのですが池内さんが所属していた三木小刀組合に複合材を卸していた方によると同時期に
玉鋼を使った複合材を後藤包平さんに卸していた事があると言っていたのでもしかすると同系の材料かもしれません。
自家鍛接の場合持ち手部分は軟鉄の場合が多いのですが(勿論根元まで鋼を入れる鍛冶屋さんもいますよね)竹屋小刀の場合は根元も鋼が入っていたほうが良いと思われます。
何故かというと玄能で台に打ち込んで使うからなんです※画像は深水刃物様より
根元が軟鉄だけだと直ぐにめくれてしまいますから
刃先はどっち向きでも良いそうです
幅を決めて間に竹を通して削るのです
かなりコツが要りそうです
刃先も研ぎ方に試行錯誤が必要でしょう
竹細工初心者が最初に直面する壁かもしれません。
それを解消する幅決め機械というのがありましてそちらを使う方も多いのでしょうか
竹は少しずつ幅を狭く削っていくので何度もセッティングする必要があります。幅決め機はセットが大変そうなので慣れると竹屋小刀の方が断然素早くセットできて使いやすいと思います
ネットで検索する時は幅決め小刀で検索すると参考ブログがいくつか出てきますが独学では難しそうなので教室などで習うのが良さそう。