amazonのオススメ枠に印刀が出てきました。
印刀というとハンコを彫るのに用いられるモノですが、限定という訳ではなくて、木彫の細部やソープカービングなどに使ってもいいと思います。
彫刻刀の切り出し型とほぼ同じに見えますが…ほぼ同じです。
柄が無いだけと思ってかまわないです。
もしかすると、ハンコは柘植(ツゲ)などの硬い木を彫るので先の部分が欠けないように靭性が強くなるように焼戻しに違いがあるのかもしれません。
ただ…現在のハンコ製作事情というとNCルーターで全自動、名前を入力すると数十秒でハンコができてしまうというなんとも味気ない世界。
手彫り印鑑も当然ありますが、激減しているのは間違い無し!必然、印刀の需要は多くは無いでしょう。
そのおかげかはわかりませんが池内刃物の美貴久ブランドが500円で入手できるとは、細工小刀として買っておいて損は無いハズ。
通常は2000円前後のようです。
切り出し小刀とは角度が少し違っています。
白柿小刀よりは薄い作りになっています。
説明書が入っていました。
あっさりと研ぎの解説が書いてあったり(この説明では素人では絶対理解不能)切り出し小刀という文字もあります。
同じ説明書を使っているという事は池内刃物さんでも切り出し小刀と印刀は同じと考えているのかも。
裏を見てビックリ。
裏スキがないのです。
珍しいな、片刃で木工系の日本刃物で裏スキがないのは。
小さいから技術的にできなかったという事ではないでしょう、これより小さいサイズの切り出し型彫刻刀でさえ裏スキがあるのですから。
裏スキ工程を省いたからその分安かったのか?
その辺りはわかりませんが、裏スキが無いとどうなるか?切れないのか?
ネットで見られる情報では裏スキが無い、最初はあったのに研ぎ減りして無くなった、という記事が多くあり、その殆どが否定的です。
「裏スキが無くなったので寿命かな」
「裏スキが無くなったので交換した」
「安物買ったら裏スキが無い。やっぱり安物は駄目だね」
「裏スキが無くなったので終わった。裏出し方法が知りたい」
なぜ裏スキ信仰がこうも強いのか。
裏スキが無い(無くなった)イコール終了と考えている方が実に多い。
私は裏スキが無くても裏が平面(ほぼ平面)であれば切れると考えていまして、今現在実際使っている刃物も裏スキが無くなったにもかかわらず切れるモノがたくさんあります。
※写真は購入当時の糸裏を超えてベタ裏になった切り出し小刀。あと数年?研ぎ続けるとベタベタ裏になるのでしょうか。現時点でズバズバに切れます。
裏スキは研ぎ面を最小限にして平面を作る手間を減らす為の補助という役割りがほとんどだと考えています。
長年研ぎ続けて裏が平面を維持し続けてきたなら裏スキがなくてもいいと思うのです。
両刃の刃物も平らな片面が材料にベタリと接地してるのに切れるということからも裏スキが絶対必要ではないのは明白。
外国の刃物は鉋さえも裏スキが無いですよね。
ただ…最初から裏スキが無い刃物に比べて、最初は裏スキがあったのに研ぎ続けて裏スキが無くなった刃物では鋼の厚みに変化(鋼が僅かに薄くなる)があるので、もしかすると経年で「切れるようになった」と感じるひとつの要因になるのかもしれませんね。
今回購入した印刀、裏スキは一切ないのにズバッと切れます。
安くオススメに出てきたらサイズ違いも買ってしまいそう。