増田切り出し工場別製坂光・横手小刀長刃

以前から宣言しておりました。
新生・坂光小刀をやっと購入しました。
新生という意味ですが、坂光小刀を作っていた坂井久二さんが亡くなって、坂井さんの小刀は素晴らしく、その割には良心的な値段で木工を目指す人間からそのままプロに至る方まで幅広く愛されてきました。
その銘を継いで「別製坂光」を製作しているのが増田切り出し工場を経営している親戚の増田さんなのです。(実際私の知り合いではありませんのであしからず)
実は坂井さん製作の坂光小刀はオークションでも人気があって高騰しがちで入手が困難になってます。
増田さんの切り出しが坂井さんの切り出しと同じように使いやすくて切れるのなら寿命を気にすることなくガシガシ使えるのではないでしょうか。
そんな思いから今回別製坂光を購入してみました。
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長刃というのは普通の横手小刀のように抜き身の長さではなくて刃渡りの事を指すようです。
上鞘となっていますが安いと思います。
この上のグレードを購入しようと考えてもみたのですが、「坂光とはいえもしも切れなかったら…」という思いが頭を過ぎったからです。
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鞘は杢目が合っていて蝋引きしてあり、手にものすごく馴染みますね。
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仕様・自家鍛接鍛造火造り
価格・3900円
鋼材・おそらく白紙1号
巾・22ミリ
厚み・3.6ミリ
刃角度・30度
個人的採点87点
コストパフォーマンス88点
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正直、購入したばかりの状態では坂井さんの小刀には敵わないです。
坂井さんの小刀は買った箱出しの状態でスペシャルな切れ味ですから。
ただ、刃角度が30度というのも関係しているのかもしれません。ちょっと躓き感があります。
しかし、値段を考えるとかなりお買い得です。
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自分なりの研ぎを施して、いよいよ坂井さんの小刀との「新生坂光と本家坂光」の比較をしてみたいと思います。

※記事を書いた直後に軽く研いでみたのですが、この小刀、色々と面白い試みがされているようなので追記します。
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刃先ですが極小さな弧を描いているようです。
これは意図的なのか研ぎグセなのかは不明ですが使い心地に微妙な差がありそうです。もちろん良い方向で。
更に微妙にハマグリ刃になっています。
片刃ですから厳密には片ハマグリですが、刃角度が30度もあるのにハマグリ?!こんなの初めてですよ。
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そして裏はなんと!平面ではなく、先の方に小刃のようなものが付けてあります(わかりにくいですが刃先が白く反射しています)。
箱出しで疑似両刃仕様になっている小刀を初めて見まして驚いています。
軽く仕上げ砥石を当てたら凄まじい切れ味になって驚きました。

増田さんは硬い木も柔らかい木もどんな素材も一本の小刀で済ますことができる「究極の切り出し小刀」を目指して日夜努力しているそうです。
もしかするとその試みの一端なのかもしれませんね。
未来が楽しみな小刀です。