コジ棒で繰小刀の歪みを取る

コジ棒(抉棒)というもので繰小刀の歪みを取ってみました。


販売されている樫の木製のモノは出刃も対応しているせいか溝が太く小刀には合わなそうなので自作します。


材料はローズウッド、寸法は長さ255×高さ50×厚み18です。厚みは30ミリくらいあっても良いかもしれないですね。
刃の厚みを2.5ミリ、3ミリ、3.5ミリ、4ミリに想定して溝を切り欠きますが必要であれば好みの幅で溝を作るといいでしょう。

溝は木目に対して直角方向で切ります。
そうしないとコジッた時に割れてしまいます。


この面を平面にしているので小刀を当てて光にかざして確認しながら曲げていきます。

片手撮影の為左側をテープで固定しています





コツを掴むと面白いように矯正できますが完全に真っ直ぐにするのは練習を積まないと難しいかと思います。
しかし歪んでいる状態とほぼ真っ直ぐという状態でも雲泥の差があるように感じましたので即効的な体感はあると思いますしその後の研ぐ作業がとても楽になります。

注意事項としましては
・全鋼の刃物でやらないこと曲がりません
・5ミリ以上の厚みのある小刀には作用しない可能性が高いです
・軟鉄と鋼の二枚構造三枚構造の刃物で行うこと
・折れて自分に飛んでくる事が想定されますので保護メガネを装着してください
・折れても良い刃物で練習してください
・自己責任で行ってください

以上になります

私の実験では肥後守や切り出し小刀でも矯正することができました。




肥後守は力点に注意しないとカシメの部分から曲がってしまうので気をつけてください。
歪みを矯正した後は砥石の当たりが劇的に改善して革砥の効果も倍増しました。
歪みというものがこれほどまでに切れ味に影響するとは目から鱗でした。
小刀にコジ棒を使うということをやられている方はいらっしゃるとは思うのですがネット検索では見つけれなかったのでここに記します。