福三郎(魚住福三郎鉋製作所・廃業)という銘の小刀はひょっとすると三木の重鎮・西口良次さんが請負で製作したものではないか?と以前書いた事があるのですが、フリマサイトで同銘の共柄切り出し小刀が出品されていたので思わず手が出てしまいました。
横手小刀は持っていましたし、オークションでも何度も出品を確認していたのですが(福三郎銘の)共柄切り出し小刀は初見でしたので。
独自の格子模様といいますか網目模様といいますか、この模様自体が他に類を見ないです。
色々と細部も見てみましょう。
シールで見にくいですが裏にはクッキリと鍛接線が見られます。鍛接線の形だけで製作者を特定するのはプロの鍛冶屋さんが見れば一目瞭然なのかもしれないですが素人目には非常に難しいです。。。が、似ている感じはします。
福三郎横手小刀と並べてみました。
西口小刀と並べてみました。
ウ~ン。。。こうして並べると雰囲気は非なるモノですね。
刃先に怪我防止の為か袋から突き出るのを防止の為かはわからないのですが、ボンドかゴムか何かで刃先を保護しています。
たまに見ますよねこれ。未使用の目印でもあるんです。
試しに刃の根元の方で切ってみますと非常に良く切れます。
刃先保護材を除去して測定しますとスペックは以下になります。
仕様・自家鍛接鍛造火造り
価格・2600円(フリマ価格)
鋼材・不明
全長・183ミリ
刃長・50ミリ
巾 ・18ミリ
厚み・2.7ミリ
刃角度・23度
とても良く切れます。そして使いやすい。
23度という刃角度が万能型を感じさせてくれます。
西口さんの手による物かは分からないのですが福三郎銘の小刀は出品があると割と安い事が多いので工作がご趣味の方は実戦用の予備品として備えておくのも良いと思います。
因みに福三郎鉋もとても割安で良品です。
デッドストックか中古しかありませんがまだまだ出品がありますので入手は難しくないです。
魚住福三郎さんについて検索すると木工に携わる方なら誰でも知っている常三郎鉋の名前が出てきます。
常三郎さんのお名前は魚住常三郎というお名前で魚住福三郎さんはお祖父様にあたるそうです。
その辺りの詳しい歴史が書いてあるサイトがありましたのでリンクさせていただきます。