相州光悦を軽く研いだらとんでもない事になった

錆の酷かった相州光悦を軽く研いでみました。

私は古い小刀を研ぐときにはYou Tubeなどでよく見るようにグラインダーやベルトサンダーを使って削り減らしてピカピカにするような事はしないです。

小刀自体が薄い作りですからグラインダーなんかで削ってしまうと本来のポテンシャルを改悪してしまう可能性が高いと思うのです。

もちろん刃角度の大きな改造をする場合はグラインダーは役立つと思いますが裏の成形には使いたくないです。

工作に即戦力として使うのならば徹底的に成形するのでしょうが、工作用は何本も持っているのでそちらを使えばいい事ですし、一気に最終型にはせずにたまに出して研いで何年もかけて形成するのが好きなのです。

この相州光悦も難しい錆穿孔が各所に存在しました。


錆を落として磨きましたが穿孔が酷い部分を平らになるまで削ると折れたり鋼を突き抜けて軟鉄部分に到達しそうなので止めました。
鍛接跡が見えるようになりました。


裏の穿孔部分は深く表面に刃欠けが出てしまいます。
その先にはえぐれた部分にが有り、先を2センチくらい研ぎ減らさないと無くなりません。



表面の根本に近い部分には以前の持ち主が研いだ名残りがあり三日月のように鈍角になっています。
この部分も平面になるまで研ぐともはや繰り小刀の形は残らないと判断してここまでにしました。


砥石はシャプトン中心で研ぎました。

刃の黒幕#120→ハイパーキング#700→刃の黒幕#1000→刃の黒幕#2000→刃の黒幕#5000→刃の黒幕#8000です。

恐ろしいほど砥石当たりが良かったです。
研ぎやすいです。




鞘は色を塗ってあったのを剥がしてサンディングシーラーを塗りました。


もう少し綺麗になるかな?と思ったのですが染み込みが凄くてこれが限界でした。

肝心の切れ味ですが。。。。。とんでもない切れ味です。

杉から硬い材まで良く切れます。
こういうのを甘切れというのかな?というお手本みたいな小刀です。

もちろん穿孔部分と三日月部分は切れ味が落ちますが満足です。

ちょくちょく研いで使ってみたいなと思いました。