最近、ヤフオクや某フリマサイトでよく目にする「音彦」という銘の小刀です。
千円程度で入手できて、しっかり火造りしてあるので切り出し小刀本来の姿を安価で体感できる良いチャンスかもしれません。
裏を見ると鍛接跡があり、自家鍛接と思われます。
音系の銘は音房(刈り込みバサミが有名)や音丸などがありますが、師弟関係があるのかどうかはわかりません。
この小刀、色々凄いです。
仕様・自家鍛接鍛造火造り
価格・千円くらい(フリマサイト)
鋼材・不明
全長・190ミリ
刃長・55ミリ
巾 ・21ミリ
厚み・2ミリ
刃角度・17度
この2ミリという厚み。
持ち手部分はもっと薄く1ミリくらいです。
そして17度という鋭角な刃角度。
これはもう、切り出し小刀というより接ぎ木小刀と言ってもいいのではないでしょうか。
この薄さを自家鍛接で出すのはかなり難しそう。
硬い木は切らないほうがいいかもですね(仮に強靭な刃先だとしても支える指の腹が痛くて長時間は使えないでしょう)。
実は既に軽く研いでしまって研ぐ前の写真を間違って削除してしまって残っていません申し訳無いです。
で、研いでびっくり!
なんだこの鋼の模様は!
デコボコの鋼を鍛接したのでしょうか?悪く言えば不良品なのでしょうが今の所、切れ味に影響はありませんので良しとしましょう。安かったし。。。
このまま研ぎ進めると剥がれてくるかもしれませんね。
初期の裏はかなりガタガタでした。
中砥で1時間くらい研いでみましたが先端と一部にクレーターがあって完全平面は遠い先になりそうです。
値段から考えてもコスパ抜群でとても良い切れ味で、鉛筆削りや小刃を付けて柔めの木材くらいならいけそうです。
竹トンボ作製はやめたほうがいいかも。
愉しい小刀です。
※追記
ローソンの竹割箸を切ったら速攻で刃先がボロボロになりました。
小刃を少し付けていましたが無理でした。