以前書いた記事でオークションで人気の小刀のキーワードの中に「和鉄」というのがありました。
和鉄というのは製鉄技術が確立した明治以降の近代鉄に対する言葉で古鉄などとも言われていますが、製鉄技術がまだ未完全な時代に寺社仏閣等に使われていた釘やカスガイなどを赤めて叩き直した物です。
不純物が多くて現在の軟鉄よりは柔らかく地金にすると研ぎやすいのだそうです。
高くて中々手が出ないのですが、オークションで超小型の切り出しが出品されていたので落札してみました。
1800円くらいでしたかな?
実用性はほとんどありません。
寺社から出た和鉄に白紙2号を鍛接したそうです。
裏だしはめちゃくちゃですがそこそこ切れます。
薄いです。
わざと赤錆を出して古美を醸しています。
これって古鉄かどうかの証明はもちろんありません。
研ぎ味で判るわけがないんです。
西口小刀の西口さんのように実績と信用のある鍛冶さんが古鉄ですというならば信頼もできるのでしょうが名も無きオークションで入手した和鉄ほど胡散臭いものはありません。
ですからこの小刀もそういった諸々を全て理解した上で色々と想像して愉しむべき小刀なのです。
出品者の方にはもちろん「非常に良い」の評価をしました。