新品中古問わず、手元に小刀が届いた時に自分の好みに合うように手直しすることを仕込みというようです。
研ぎ直しはもちろん切り出し小刀を鞘仕込みにしたり、刃角度を変更したりとそれこそ自分好みに自由に変更します。
「今日からお前の相棒は私だよ!宜しくな!」
挨拶代わりでもあるのです。
私のは中古を購入した場合、先ずは錆と汚れ落としをします。
錆は、もちろん切れ味が悪くなりますし、手に付くと作品を汚してしまいます。
小刀は殆どが軟鉄と鋼の合成材料ですから錆には弱く手汗等で直ぐに錆てしまうのです。
さらに鞘入り小刀であれば鞘にも汚れが付きますので対策が必要です。
私は以前ワシン社のクリアラッカーを塗っていました。
鞘と黒い部分に塗ります。
裏や刃の部分は塗らずにおかないと切れなくなりますので注意です。
最近のお気に入りは蜜蝋ワックスです。
蜜蝋の撥水性を利用して錆や汚れを防ごうという魂胆ですが、これがなかなか良い感じです。
クリアラッカーは悪臭出ますし筆と乾燥時間が必要ですが蜜蝋ワックスは一瞬で完了します。
一番上がクリアラッカー、二番目が蜜蝋ワックス、一番下も蜜蝋ワックスです。
蜜蝋ワックスは艶消しになりますし滑らないですが撥水性はやや劣ります。
クリアラッカーは艶が出て強力な撥水性を発揮しますが滑る事があります。
それぞれ長所短所があります。
もちろん何も塗らない方もいます。
横手小刀の鞘が手垢で真っ黒の小刀も味があるものと考えている方も多いのです。
ギター製作では黒い木材等を使いますので直ぐに鞘や表面板に色移りしてしまいますので対策は必須です。
お人形や仏像彫刻、皮革製品製作などにも汚れは禁物と思いますので色移りで困った経験ある方はぜひやってみてください。