切り出し小刀には様々な種類があります。
※鞘のある小刀を「横手小刀」、全体が鉄鉄しいのが切り出し小刀(共柄切り出し小刀トモエキリダシコガタナと言ったりもする)。
一部メーカーでは鞘入り小刀を共柄切り出し小刀と呼んだりとややこしいが当サイトでは鉄鉄しいのが切り出し小刀、購入時に木鞘に入っているのは横手小刀と呼ぶことにします。
両刃と片刃がある
切り出し小刀に絶対的な決まりは無いように思われます。
鍛冶屋さんの特徴が出ますし、独自の形状をした小刀も沢山あります。
切り出す事ができるというのが唯一無二のコガタナの定義ですからある程度の自由があります。
厚みも様々、角度も様々。
両刃でないとダメという人もいますし、絶対片刃が良いという人もいます。
(下が両刃です。この小刀の詳細はこちらで紹介しています)
不思議に思うのですがバイオリン製作家は薄い両刃を使う人が多いです。
でも、ヨーロッパ人と日本人ではヨーロッパ人が両刃、日本人は片刃が好みというパターンがあるようで、おそらくは左利きが多いという事も関係して両刃が発達したのかな?と想像します。
様々な鋼がある。黄紙、白紙、青紙(それぞれ1号2号スーパーなどがあります)、銀紙、モリブデン鋼、HSS鋼、スェーデン鋼、銀紙、ZDP189等々
冒頭のOLFA切り出しです。
両刃でステンレス鋼(特殊刃物鋼の刃もあります)です。
折る刃(カッターの事。OLFAの由来ですね)ではなく折れない刃なんですが替刃式で携帯にはとても便利です。
切り出し小刀は持ち運びが不便(持ち運ぶこと自体かなり物騒ですものね)ですからこれは良いアイデア!
キャンプや釣りに持って行くにはいいですね。
当然私も持っているのですが、現在長期出張中でして実家に置いてあるので今回は拾い画像で申し訳ない。
(その後必要に駆られて何本か購入しました。こちらで紹介しています)
刃は砥げますが切れ味はそこまで鋭くはないです(研ぎ下手なのもあります)。
上から利器材(複合材ともいいます)打ち抜きオーブン焼き。
利器材をプレスで打抜いて冷たいまま叩いて通称オーブンと言われる電気窯で温度管理して仕上げます
このように書くといかにも切れなさそうですが、この小刀、滅茶苦茶切れます!名だたる高価な銘入り切り出し小刀にも全く引けを取りません。
こういう小刀は滅多に出会えませんが一般には切れ味はそこそこで安価なモノが利器材打ち抜き製品には多いようです。
手頃でまあまあ切れる!入門用!という感じがポイントですね。
写真のは二千円也!
自家鍛接だからって切れるとは限らない
真ん中は自家鍛接鍛造火造り品です。
地金と鋼を赤めて鍛接(叩いて溶接)します。
目印として裏に開先(カイサキ)という接続跡が残ります。
しかし接続跡が無くても自家鍛接している場合もあります。
刃線が揺らいでいるのも一つの目安。
利器材打ち抜きは刃線が真っ直ぐです。
(これだけで判断すると見誤る場合があります。利器材を少し温めて叩いて揺らいでるように見せる場合もあるから)
自家鍛接は温度管理を間違えると脱炭と言って鋼の成分が無くなって切れない刃物ができます。
ても自家鍛接品はやっぱり切れますし雰囲気がありますので私は好んで使います。
一万円前後がよく切れますが当サイトでイチオシしている池内刃物謹製などはとても消費者思いでコストパフォーマンスが高いです。
一番下は利器材を鍛造加工して火造りしたもの…だと思います。
メーカーに問い合わせてみましたが明確な回答はもらえませんでした。
刃線は少しだけ揺らいでいますが鍛接跡のカイサキが見えません。
物凄く切れるのでどちらでもいいか、と気にしていないですが。
(少し色が違って見えるのはカイサキではありません。私は錆防止にクリアラッカーを塗ることがあるのでその跡です)
刃線はビミョーに揺らいでますが…
こちらは五千円くらいで凄く切れます。
3本とも研ぎ上げてますので切れます。
目隠しして利き小刀したらどれが安いか高いかなんて判らないかもしれません。
値段ではなくて自分の手に馴染んで用途に合う小刀に早く出逢うのが大切であり、そのお手伝いを少しでもできるようなサイト作りをしたいと思っています。