神沢鉄工の社内ブランドFEDECAから発売されているIts my knifeシリーズの中のTHE KIBORIは木彫りに特化した形状をしているようです。
以前からお馴染みのIt’s my knifeの刃形状はやや小さく片刃に見せた両刃という難しい刃物だったので購入を躊躇していたのですが両刃のモーラのカービングナイフに似た感じということで購入してみました。
モーラは炭素鋼でTHE KIBORIは青紙というのもポイント。触ったそばから錆びていく炭素鋼に比べると錆には強いはず。
It’s my knifeシリーズ最大の特徴はバラバラなキット部品を組み立てて柄を自分で整形して自分だけのオリジナリティあふれるスタイルにする事ができる点にあります。削り量の違いによって3段階のレベルがありますが、今回はeasyという一番楽なレベルを選びました。
転売防止のため一個しか買えないシステム。私の知らない間にキャンパーの間で大人気らしくインスタグラムではハッシュタグ付で相当数の投稿があり驚きました。
開封しました
組み立てます
ぐらつき防止の両面テープを貼ってから(木工ボンドで接着すればいいじゃんと思った貴方は後悔するかも。詳しくは後述します)
付属の真鍮製ビスで固定します
付属の板はマイナスドライバーになりますが反対側は刺さる危険ありますので注意
組み立ては至極簡単力も要らないので女性でも簡単
ここから柄を削っていく訳ですが、本末転倒といいますか、もう一本ナイフが無いと削れません。
柄には中堅木のブナ材が使われていますのでカッターナイフでの加工だとちょっとキツイかな?無理ではないですが注意が必要だと思います。比較的安価なOLFAの切出ナイフなんかがあれば良いですね。
私は横手小刀で削ります。
※刃先の保護を忘れずに
逆目に気をつけながら段差や角を落とします
この部分は凹んだままにするべきか?
スリムになるけれども面一にするべきか?
どちらにせよゴミが溜まりやすそうですので場合によってはタボで埋めるのもアリでしょうか。
焚き火の前で珈琲など飲みながらゆっくり削ると愉しいでしょうね
今回はEASYを選んだので30分で完成しました。FEDECAサイトでは目安が5分と書いてましたけどいきなりサンドペーパーを掛ければ5分で済むのでしょうが、それだとあまりにもゴツいのである程度シェイプした結果が30分です。
付属のサンドペーパーはあまりにも小さかったので別途用意しました
60→120→240→400番と仕上げていきます。あまり番手を上げると滑るのでこれくらいにしました。
仕上げに亜麻仁油と蜜蝋を混合した自家製蜜蝋ワックスを布で刷り込みながら塗って完成(後述しますがラッカー等は塗らないほうがお得かもしれません)。
削る上で注意点は始めから追い込まない事。削り過ぎを大きくするのは難しいので、まず大まかを意識して、使っていくなかで細部を仕上げてIt’s my knifeに育てましょう。
それでは改めてスペック紹介です。
仕様・利器材プレス物
価格・5280円
鋼材・青紙(3枚構造)
全長・200ミリ
刃長・80ミリ
巾 ・15ミリ
厚み・2.8〜3ミリ
刃角度・22.5度
価格は中々のものですね。
ルックスは良いと思います。
刃角度はやや鋭角で刃先に小刃が付いています。
切れ味はいかがなものか
軟材は切れます!なかなかの切れ味
中堅木を切ってみます
切れる!けど、、、。
うーん。少し硬い木になると想定外の力が必要になります。
この部分が指に食い込んで痛いのです。
モーラナイフもそうだけどこの指の痛みと戦いながら彫物を完成させることはけっこう大変だと思います。
和式小刀の面取りや斜面仕上げのような細かな気遣いがあると文句なしといったところでしょうか。
自分で面取りするといいのかなぁ。。。
ところで、It’s my Knifは切れなくなったら刃研ぎを無料(送料自己負担)でやってもらえるそうです。
これは良いサービスですね。
FEDECAさんもチビた刃を見つけたら買い替えを奨められるという戦略もあるのでしょうけれど、何より刃物研ぎのハードルを下げて刃物をより身近に感じてもらうというのは衰退する和式刃物を盛り上げるのにはうってつけです。
FEDECAさんで販売しているナイフ類とナタ類は全て無料で刃研ぎしてくれるそうです。
ナイフの場合、一度分解して刃だけを送ると定形外郵便で94円(往復で188円)で研いでもらえますが、柄を接着したりラッカー塗装したりして分解不可能にすると郵送費がかさみます。
自分で研げるよ!という方は接着したりラッカー塗装したり穴埋めしたりカスタマイズは自由です。
※刃研ぎ申込みははFEDECAサイトから
FEDECAのTHE KIBORIはスタイリッシュで作る愉しみがあって切れ味良くキャンプの相棒には最高と感じる小刀でした。
二本目やタイプ別も欲しいと思えるモノでした。