新潟県の刃物屋さん「平出の刃物」さんの包春(カネハルと読む)銘の切り出し小刀です。
この小刀は独自の路線を貫いています。
表面は鋼が回り込んでいる本格派、やや厚めの鋼を鍛接しています。
木目調の線が入っていてデザインと滑り止めの役目をしています。
裏を見るとかなり無骨です。
裏スキが深く糸裏とは無縁の幅広裏!
オマケに激しい傷がけっこうあります。
銘もちゃんと入ってないし(笑)
仕様・自家鍛接鍛造火造り
価格・9000円くらい
鋼材・白紙1号
巾・21ミリ
厚み・4.5ミリ
刃角度・27度
個人的採点80点
コストパフォーマンス68点
この小刀は美しさを求める貴兄には向かないと思います(もちろん私の購入後に鍛冶さんの向上はあるでしょう)。
手に持つとズッシリと重く、存在感を出してきます。
購入時の裏はかなり適当に研がれていて一部両刃のように研がれていました。
…わざとこのように研いでいるのか…
という疑問を感じつつ裏出しをするも、あまりにも両刃のようになっていて、なかなか平面にならない。
こうなると使いながら平面を出して行くのが得策だと思っていまして。。。かなり切れるし、鋼が勿体無いし、仕上げに直結するような使い方はしてないので。。。ただ、完璧に研いだ時のポテンシャルを堪能したい!という気持ちはありますので暇をみてはシコシコと研いでおります。
とりあえず切ってみると
これが切れるから驚きだ!
コリコリっと食い込んでいって切り跡がツルツルに光る!
切れ味はとても繊細なのに硬木を切っても強靭な刃先である。
「これ…いいじゃん!!!」
しばらくメインで使っていたくらいお気に入りになってしまった。
ネットを観ていても楽器製作家や木工職人さんの評価が高いがそれも頷ける。
最近になって平出の刃物さんのサイトを観ていたら切り出し小刀のリーズナブルなタイプが発売されていて購買欲が出てきて困っています。
多分買うんだろうな。
買ったら記事にします。