包春・両刃切り出し小刀18ミリ

新潟県の平出の刃物の包春(カネハル)銘の両刃切り出し小刀です。
平出の刃物さんのサイトで見ると割り鋼と呼んでいるようです。
両刃の小刀(刃物)で自家鍛接品は赤めた軟鉄を割って本のような形にします。
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間に鋼を入れて鍛接します。(変な写真で申し訳ありません)
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肥後守を懐かしんで入手した方で「本割込」という刻印を見て
「本物の割込はやっぱり違うね!」
等と喜んでいる方がいますが、実は本物(genuine)ではなく本(book)の意味だということです。
本割込だからといって自家鍛接確定というわけではなく、そのような利器材もあるようです。

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仕様・自家鍛接鍛造火造り
価格・11000円くらい
鋼材・白紙1号
巾・18ミリ
厚み・4.5ミリ
刃角度・33度
個人的採点80点
コストパフォーマンス65点

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良く切れます。
ズッシリと重そうですが18ミリですからそこそこの重みで木目調の全体像です。

日本の木工家は両刃というと精度がイマイチというイメージがあるようで、実際両刃で平面に削るのは難しいというのもあり、肥後守のチープなイメージも手伝って竹細工以外では多くは使われていないのが現状だと思います。
西洋のバイオリン製作家は両刃を好んで使うようです。
バイオリンは曲線が多いので抉るには両刃が向いているのかもしれませんが、真相はバイオリン製作家に聞いてみても人それぞれの回答しか得られないのでよくわからないのです。

刃角度が33度もありますので紙を切るような鋭さはありませんが木にはグイグイ食い込んでいきます。
(刃物って不思議!と感じる瞬間)

鉛筆を削ると最高に楽しいです。
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自分的には用途の狭さの割にはお値段がけっこうするような気がします。
半額以下でカネコマ(肥後守の)小刀が買えるという現実を見ると唸ってしまうのです。
カネコマ小刀を購入して比較してみる必要がありますね。