切り出し小刀の鞘を作ってみる(徹底解説)その1

最近はオークションでもライバルが多くてなかなか落札できずにいます。
そんな日々ですから日曜日の昼下がりはチマチマと小刀の鞘を仕込んだりしています。
当サイトでは横手小刀の紹介でも便宜上、小刀全体を包む木の部分を鞘と書いていますが鞘は刃の部分であり、持ち手の部分は柄(え、つか、がら)というのが正しいです。
今回は柄と鞘を作ってみたいと思います。

材料と道具はこんな感じ
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追加でクランプと磁石
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・切り出し小刀
今回は村正刃物の12ミリの切り出しです。
購入したばかりでイマイチ性能を引き出せていませんが愛着を持つ為にも今回鞘仕込みを決意した訳です(大げさですね)

・ラワン材
鞘柄の材料はラワン材です。
柔らかい木ですが粘りがあって目が詰まっているのでなかなかにしぶとい材料でもあります。
幅20ミリで長さが600ミリ、厚さが15ミリで200円くらいです。

・ボンド
今回はホムセンで190円のコニシのボンドを購入しましたが、瞬間接着剤でも大丈夫です。
ただし。接着する時にズレてしまうと修正できなくなるのである程度の遅い乾燥があったほうがいいです。
木工用ボンドを使うとやがて刃がすっぽ抜けるのでオススメできません。

・彫刻刀
今回は丸刀、平刀、切り出し刀の三種類です。
ノミでもいいですが12ミリの小刀ですから細見の刀身が必要です。
ノミなら6ミリ程度が必要でしょう。

・クランプ
今回100均のクランプを使いましたがあとで失敗します。
できればしっかりしたクランプが欲しいところです。

・ノコギリ
おまかせで

・定規
こちらもおまかせ

・鉛筆
STAEDTLER…いや、なんでもいいです。

・磁石
これは私のオリジナルですが、切り出し小刀を鞘に入れた場合、構造上、そして研いでいくうちに鞘が緩くなりやすく、落下しやすくなるのであらかじめ磁石で固定してしまおう!という作戦です。
100均の磁石ですが強力です。
刃物に磁石は良くない?という人もいるようですが私にはデメリットがありませんので昔からこうしています。
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先ずはラワン材をカットします。
長さに決まりはありませんので自由に切ってください。
小刀を乗せて色々と考えて長さを決めましょう。
最初は長めに切りましょう。
杢目を合わせる切り方がいいのですが手持ちに電動工具がないので両端を利用して平面同士を合わせます。
ラワン材は杢目が細かいので違和感が少ないです。
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小刀を乗せて鉛筆で罫書きますが、写真のように表を下にします。(柄の部分を罫書いています)
裏を下にする時曲面になっていますので削りが難しくなりフィッティングに時間がかかってしまいます。
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鞘の部分も作っておきます。

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罫書きに沿って切り出し彫刻刀で切り込みを入れます。
少し大きめで大丈夫です。
シビアじゃなくてもいいのです。
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丸刀と平刀で彫り込みます。
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幅は多少大きくてもボンドの力でなんとかなりますが深さはシビアに決めたいところです。
何度か確認してちょうどいいところを見極めましょう。
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いい感じです。
上下を合わせてみましょう。
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隙間なく合わさりました。
おや?と思われた方もいるかと思います。
本当は上下で厚みを半分ずつ分けてやるのがかっこいいのかもしれません、私も昔は半分ずつ彫っていました。
しかし、時間がかかるのと仕上がりがイマイチだったので最近は実用優先でこのようにすることにしています。

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接着です。
ズレないように気をつけます。
刃物にボンドがつきますが致し方ないところです。
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クランプしましたがバネが弱くイマイチだったので急遽ガムテープでクランプしました。
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鞘も彫り込みます。
ここも大きめで良いですが深さはシビアにしないと柄との段差ができてしまうので注意です。

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鞘の反対側は磁石を仕込みます。
段差があると鞘に収まらないので少し凹むくらい彫り込んでも良いです。

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鞘はクランプでなんとかなりました。

その2へ続く