肥後守フルスカンジ部の方に悲報

永尾駒製作所製の藤巻小刀についての記事を書いていますが、今回新たに最新型の丸形藤巻小刀を購入してみました。


※一番下が以前から持っていた4代目作、その上が5代目作。

丸形は5代目作のを持っていましたので過去に比較記事を書いていましたが、丸形も最新のを買ってみようと思いたちまして、買ってみたところ、やっぱり薄手で刃角度は20度前後になっています。

うーむ、最近神戸新聞に掲載された永尾さんのインタビュー記事によると、鍛造を研究したら売れるようになったとの事。

私の藤巻小刀も変化の途中途中を購入しているということか?

厚み、刃角度、刃の長さ、全長、刻印のある無しと色、たくさんのバージョンがあります。



最新バージョンの20度前後の刃角度ですとフルスカンジ、いわゆるベタ研ぎ、砥石にペタリと付けてゴシゴシ研ぐやり方で研ぎ上げると刃先が脆くなります。
なので小刃を付ける必要が有り、箱出しの状態もガッツリ小刃が付いています。

でもですね、この小刃付けってけっこうコツがいるんですよ。
だから、肥後守好きはフルスカンジが大好き。
私はこういう方達をフルスカンジ部員、またはフルスカンジャーと呼んでおります。
もちろんフルスカンジが駄目と言っているわけではなく、対する刃物をよく観察して最適な研ぎ方を使い分けてくださいと言いたいのです。

フルスカンジ部の方は刃角度など気にせずとにかくベタ研ぎにして刃先をピンピンにします。
紙や髪の毛を切るだけならいいのですが、これで木なんかを切ると一発で欠けてしまう。
そして、肥後守は安いナイフだからしゃーないなんて言うのですから困ってしまいます。

洋書の木工入門や楽器製作の本を見ると必ずマイクロベベルについて書かれています。
外国の刃物は薄い全鋼が多く鋭角なものが多いので刃先を強くするためにはマイクロベベルが絶対に必要です。
フランスの肥後守と言われるオピネル等もホームページや説明書にマイクロベベルを入れるように書いてあるのですがフルスカンジ部の方達はベタ研ぎしてしまいます。なぜなのだろう?

鋭角な刃先にはマイクロベベルが必要という事がもっと浸透して欲しいです。

結論として永尾駒製作所の5代目作藤巻小刀は小刃無しでは使えない。

一応一度フルスカンジにしてみようかとは思ってますが小刃を消すには相当な時間がかかりますのでその時はまた記事にします。