ハイス鋼で刃物を自作しました

彫刻で細部、それも超細部を削る時に小さい彫刻刀が欲しいと思った事がある方は多いはず。
そしてネットショップで極細の彫刻刀を探すと思うんですけど、これが結構高いんです。
一本4000円とかそれ以上で。
作品の超細部がほんの少しの部分だったりすると「まぁいいか・・・」って購入を躊躇してデザインナイフで無理に削ったりして、でも、なんだかモヤモヤが残ったりして。
オルファのデザインナイフは安くて手軽でいいんだけど堅木には弱いし超細部には物足りないと感じるのは私だけかな?

同じ考えを持ってる人は多いようで、マイナスドライバーを研削して小さい彫刻刀代わりに使ったり、鋸刃を加工したり、釘を焼いて熱して
叩いて作ったり(材料費数千円かかるけど)皆さん工夫しているようです。

私は自宅に小さな炉を作ってましたので鋼を熱して叩いて焼入れして曲がり刃などは自作してましたが、小さな彫刻刀を作るのは素人の私には難しく、かといって鋸刃やドライバーは刃先が脆く、何かいい方法はないかなと模索を続けていたのですが、最近になって安価でHSS(ハイスピードスチール鋼)がアマゾンで販売されていることを知って、自作してみることにしました。

2ミリの丸棒ハイスピードスチール鋼10本、送料込みで460円です。安い!
中国製で中国からEMS郵便で郵送されてくるということで、儲けがあるの?なんだか怪しいな!と感じました。
少し前に最新プレステが1000円で売られていて、飛びついて住所を教えても何も送られてこなかったという事象があり、返金には応じたそうですが良質な住所集めの為だったのではないか?と噂が出ました。
ですが、私は現在出張中でレオパレス在住ですから実住所を教えなくて済むので注文したのでした。

注文から二週間。音沙汰無し。

注文から一ヶ月。音沙汰無し。

注文から二ヶ月。音沙汰無し。

もう忘れてました(笑)
ここで初の問い合わせ。
イラつきを隠して簡潔に問い合わせします。

[二ヶ月経って届かないけど?]

これだけ。

〜ご迷惑かけたね。荷物無くなったぽい。2つあるけどどうしますか?
1返金に応じる
2もう一度送る〜(原文ママ)

これだけの返信(笑)さすが中国

[もう一度送れ](原文ママ)

〜送りました(原文ママ)〜

簡単でいいです(笑)
それから二週間、ようやく届きました。

見た目は良い感じです。

はたして硬度はあるのか?不安ですがグラインダーで刃を付けていきます。
グラインダーは刃物研ぎ用のグラインダーなら最高ですがディスクグラインダーでも大丈夫。
※もちろん砥石でも刃付けは可能ですがハイス鋼は硬く、大変で角度を付けて研ぐのは難しいです。

今回は仕事現場で使っている会社のマキタ充電式ディスクグラインダーで刃付けしました。

このように書くと
「刃物にグラインダーって焼き戻ってナマクラになるからやってはダメだろ」
っていう人が必ずいます。
しかし、ハイスピード鋼は一般的な鋼の焼き戻り温度150度〜250度よりもずっと高く600度くらいまで大丈夫です。
だからドリル刃などに使われるのです。


600度になった鉄(鋼)の色見本ですが暗闇で梅干しくらいの赤味でしょうか、グラインダーで手早く処理して到達する温度ではないでしょう。
念の為にバケツ水を用意して冷やしながら行うと完璧です。
残念ながら職場の休み時間に一人で行ったので写真にすることはできませんでした。

所要時間5分で3本の試作ができました。

平刃





薙刀(ナギナタ)





細工刃



コツはまず裏の平面を削り出して刃角度をつけていくと上手くいきます。
アワビ貝の裏のような色に焼けますが焼き戻りはしていませんので大丈夫。
仕上げは砥石とペーパーで行います。
切れ味を試しましたがとても良く切れます。
おそらく中国で作られた鋼だと思うので心配でしたが実用レベルでは大丈夫そうです。
ちょっとした端材で豆のサヤを彫ってみました。細部に使ってみましたが良く切れます。




細いので力を入れるとたわんでしまって彫りにくいので次回は柄を作ってみます。