三代助丸・切り出し小刀・寿福



三代助丸こと碓氷金三郎氏(2009年逝去)が作った切り出し小刀が最近市場に溢れているように感じる。
三代助丸と言えば真っ先に鮎小刀を思い浮かべるが、他にも様々な意趣深い小刀を残している。

市場に溢れ出した理由はなんだろう?
そこで、三代助丸小刀について検索してみるのだが、コレクターばかりが出てきて切れ味や研いだ感想等が一切出てこないではないか。

これは遺憾。
碓氷金三郎氏は「使ってヨシ眺めてヨシ」という刃物作りを目指していたそうで、焼入れに機械を導入した初めての人らしく(与板で初めてなのかは不明)科学と美の融合をもって最高峰の切り出し小刀を作ろうとしていたに違いないのだ!

これを使わずして何が小刀や!
ということで入手してガンガン使ってみました。



しかしですね。。。。色々感じることがありましたので思ったまんまを報告します。


見た目はとにかく渋くて美しいです。
丸みと黒染めボディーと鈍い光が渾然一体となってつい見惚れてしまう程です。
黒染めは塗装によるものなのか黒錆によるものなのか黒打ちによるものなのか不明ですが塗装のあとに古美加工をしたのかな?と感じます。



データーです。

仕様・不明
価格・非公表
鋼材・おそらく白紙2号(鮎小刀と同じという前提)
全長・205ミリ
刃長・65ミリ
巾・21ミリ
厚み・4ミリ(持ち手部5ミリ)
刃角度・26.5度
個人的採点・悩
コストパフォーマンス・悩点



データーは突っ込み所満載です。
価格はおかしな事を書いて高騰や下落したりしないように非公表としました。

肝心の切れ味なんですが、思ったほどは切れないんです。
正直研がないと駄目。
これからガンガン研いでみようと思います。

ひょっとして、市場に氾濫しているのは偽物が出回っているのかもしれないと思い始めています。
箱書きの三代助丸の文字が下手に見えるのです。
刃先もなんだかボンヤリした感じで張り詰めた雰囲気が無いんですよね。

いや、それとも、コレクターが高齢化して年金生活に限界を感じて放出しているという悲しい背景があったりするのかな?
皆さんも手頃な三代助丸を入手したら箱書きを確認したりしてみてください。
また、研いだら報告します。