そろそろ「坂光OEM」のシリーズも終わりに近づいていますがあと数種類残っていますのでお付き合いください。
芳春銘の横手小刀80ミリです。
普通は75ミリ90ミリ105ミリと15ミリずつサイズアップしていくのですが80ミリというのは珍しいと思います。
この芳春は唯一平出刃物(ひらいではもの)さんで購入できます。
以前は平出刃物の切り出し小刀といえば包春(カネハル)だったのですが、これは彫刻道具刃物を専門に製作する与板鍛冶・河政刃物・河野稔さんの製作した政吉作と同等品と思われまして、河野さんが製作を辞められた時期に再入荷が無くなったようです。
同時期に代替として入荷されたのが芳春だと思うのですが、さてこれが何年の事なのかわかりません。
私の手元にある芳春は坂光の特徴があるのですが現在売られている芳春は鍛接線の位置が違ったり鍛接線がなかったりしますので別の方が作っていると思われます。
坂井久二さんは2010年に亡くなっているので当然なのですが、生前に芳春銘で作っていたのか?というのは謎ですね。
おそらく平出さんに聞いても分からないと思います。
平出さんは販売店で基本は問屋さんから卸された商品を購入してますので鍛冶屋さんについてはそこまで詳しくないのです。
先日彫刻刀を購入した時の事、届いたらサイズが違ったので交換してもらおうとしたのですが「それが最後で入荷はもう無い」と言うではありませんか。
それはマズイとサイズ違いも予備として購入する事にしました。
お詫びに小鉋を送って頂いて逆に申し訳ない思いをしました。
なんでも鍛冶屋さんの廃業が続いて売り切れ続出らしいのです。
サイトを見るとあぁ本当だ、小刀はもちろん鉋や彫刻刀まで売り切れがとても多くて心配になるほどです。
鍛冶屋さんの後継者不足は深刻だ。
木屋(坂光OEM)とのツーショット
一卵性のように寸分違わない
仕様・自家鍛接鍛造火造り
価格・1500円(フリマサイト)
鋼材・不明
全長・187ミリ
刃長(刃渡り)・45ミリ
巾 ・21.5ミリ
厚み・3.0-3.3ミリ
刃角度・26度
重量・69g
この芳春が坂井久二さんが作ったものでは無いとすると増田切り出し工場製になるのだろうか?
増田切り出し工場が自家鍛接を行っていた頃(現在もフラッグシップ品は自家鍛接鍛造です)だとしても鍛接線の位置が決定的に違うので増田切り出し工場製では無いと思っています。
では誰か?というと自分には思いつかないので行き着く考えは坂井久二さんという事になります。
坂井久二さんの鍛接線の特徴
増田さんの鍛接線の特徴(現在平出刃物さんで売られている芳春の鍛接線も同一)
切れ味ですが言うまでもなく本当に良く切れます。
文房具として最適なんじゃないかな?
学童に持って欲しいサイズですけど駄目なんだろうな。
※読み方について平出刃物さんに確認は取っていないのですが兄貴分の包春がカネハルと読む事からヨシハルであろうと思われます。まさかのホウシュンかもしれません。