栃木レザー肥後ナイフ特大・狂った値段の通販サイト
株式会社イトーのブランド「ビッグマン」から販売されている魚鬼イトウ肥後ナイフは肥後ナイフ好きの心をくすぐるなかなかの商品でしたが、今回紹介する肥後ナイフ栃木レザー特大もかなりの変わり種です。
ビッグマンブランドのラインナップは工具類が多いイメージがありましたので肥後ナイフは異質な感じがします。
同社の一刀流ブランドで出した方がしっくりくるのではないか?とは思いました。
鞘の部分に栃木レザーを貼り付けて美観と滑り防止と持ちやすさを実現したモノです。
栃木レザーは、栃木県のタンナー(なめし革業者)である栃木レザー株式会社が製造しているヌメ革を指します。 ヌメ革は、植物性のタンニンを使って原皮をなめし、表面加工をほとんどせずに仕上げたもので、一般的には牛革です。
栃木レザーを検索すると結構高価な製品もあるのですが、このナイフに使われているのは端材だと思います。端材といっても綺麗で傷などはありません。端材の有効利用はSDGsで良い試みですね。
箱に入ってます
あれ?!魚鬼の印が押してあるぞ
これって実は株式会社イトーのイトーを洒落て変換しているんだろうな、ということに最近気付いた次第です。
スペックです
※赤文字は肥後守特大の数値
仕様・利器材プレス
価格・623円(2300円くらい)
鋼材・AUS8/SUS420(青紙)
全長・214ミリ(211ミリ)
刃長(刃渡り)・95ミリ(95ミリ)
巾 ・17ミリ(16ミリ)
厚み・2.5ミリ(2.8ミリ)
刃角度・16度(16度)
重量・66g69g
肥後の特大とほとんど同じスペックですね。
薄い分少し重量が違いますが鞘の材質も真鍮合金が使われているようで益々永尾駒の製造が疑われます。※写真は肥後守特大青紙とツーショット
鋼材は魚鬼ナイフと同じ鋼材です。
焼きの入るステンレスを焼きの入らないステンレスで挟んだ3層構造。
眼を疑うのは値段です。
某通販サイトで購入したのですが安すぎませんか?最初は商品が届かない詐欺サイトかと思ってしまいました。
何かの間違いか、AIで値段を決めていてバグったのか分かりませんが何度も確認してしまいました。
他の刃物商品を見るとAmazonで2000円くらいで売られている商品が6000円くらいで売られていたりして渾沌としており何かしらのバグなのか戦略なのかはわかりませんがとにかく今回の肥後ナイフは安かった。
木箱に入っていてこの値段…
私の記憶が確かなら永尾駒製作所の肥後守でもこの栃木レザーシリーズがあって6000円くらいだったように思ったのですが、果たして今回のビッグマンの栃木レザー肥後ナイフが永尾駒製作所の製作なのかはわからないですがチキリ以外は本当にとてもよく似ています。
箱出しの状態での切れ味はどうか?
正直あまり切れないのです。
大き目の小刃が両面に入っています
肥後守の箱出しはどうか?
更に研ぎ上げたSK鋼との切れ味比較をしてみました
肥後守肥後ナイフの切れ味比較。
栃木レザー新品と肥後守青紙新品と研ぎ上げたSK肥後守#肥後守 #肥後ナイフ #切れ味 pic.twitter.com/ULDfDk3Cso— kurikogatana (@kurikogatana) November 10, 2024
結果は栃木レザーが82.0
青紙新品が61.6
研ぎ上げたSKが43.7
でした
AUS8/SUS420は研ぎ上げれば切れる事はイトウ肥後ナイフで立証済みですから安心と言えば安心なのですが一般ユーザーは箱出しから切れる刃物というのを求める時代に変わってきていると思うのですね、その観点からすると外国ナイフの方に分があるように思うのですがいかがでしょうか。
この栃木レザーの持ち手部分は賛否両論あると思いますが凄く持ちやすくて手にフィットします。
ただしアウトドアで水に濡れた場合や魚を捌いてヌメリが付着した場合等ふやけたり不衛生だったりするので不向きなのではないか?
研ぐ度に濡れやしないか気が気じゃないのではないか?
接着がボンドだと思うのですが1年も使うと剥がれてきそうです。
一方室内使いで鉛筆を削ったり工作に使ったりするには使えば使うほど風合いが出て愛着が芽生える事でしょう。
肥後守好きの方達は何本も持っていると思うのであえて屋外に持ち出す事はないか。
この値段ならば色違いも買ってストックしてもいいと思ってサイトを見に行くとすでに売り切れになっていて、転売ヤーに眼を付けられていたのでしょうか数日後にはフリマサイトで2000円ほどで出品されていました。
次回はこの肥後ナイフを研いでレポートしていきたいと思います。