一心堂義近・繰小刀135ミリ伝統の技がまた消えていく

山形県山形市にある藤沢刃物店で売られている(一心堂)義近銘の繰小刀です。


刃物店の裏にある鍛冶場で製作されたモノですが2023年現在は御高齢のため廃業されていて製作はされていません。
店舗は息子さんが在庫を売り切るまで営業をされているようです。

製作販売されていた刃物は多岐に渡り

料理包丁、
彫刻刀 、切出小刀 、特殊刃物 リードナイフ、登山刀、特注刃物 、鑿、鉋、剪定鋏、斧、ナタ

刃物の殆んどをカバーしているのではないかと思うほどです。
全て店舗裏で作っていたとしたら凄い技を持っていた方なのだと感じました。

鍛接線の無いタイプはフリマサイトに何点か出品されていて以前から注目はしていましたがどうしても鍛接線のあるタイプが欲しくて近頃やっと出品があったので迷わず落札しました。

仕様・自家鍛接鍛造火造り
価格・4800円(落札価格)
鋼材・青紙1号
全長・261ミリ
刃長・130ミリ
巾 ・216ミリ
厚み・2.5ミリ-3.4ミリ
刃角度・28度
重量・鞘込100G鞘無67G

蜜蝋仕上げで杢目が合っている鞘柄




刃先側を表す目印の切り込みが無い


切っ先は鈍角(右は坂光)




機械研ぎながら綺麗に研がれています


鍛接線は45度くらい




裏に絶対に砥石に当たらない部分がありますが切れ味には一切関係ありませんので黙認します


刃先まで綺麗に研ぎ上がっていて良く切れます。薄くスルスルと削れる感覚で気持ちが良い


晩年の製作と思われるモノは鍛接線が無い場合が多く利器材を使用しているのかもしれませんがどれも良くできていて印刀や接木小刀なんかは購買欲をそそるものが沢山あります。

東北に行くことがあれば寄り道したい、そんな気分にしてくれる小刀でした。