近頃、切り出し小刀や横手小刀をオークションやフリマサイトであまり見かけなくなりました。
出品が少ないのです。
私、ほとんど買えないでいます(数十万円とかはありますがもちろん買えない)。
逆に肥後守の出品が増えてきている感じです。
そんな訳で切り出し小刀はあまり購入できずに肥後守や肥後ナイフばかり増えています。
テレビ東京のなんでも鑑定団で、例えば千代鶴の小刀を鑑定して高値がついたりすると途端に出品が増えたり高値で出品されたりします。
数ヶ月前は砥石に高値が付きましたが某フリマサイトでは天然砥石にアホのような高値を付けてカモを捕まえようとしている出品者が数名います。
気をつけましょう!
肥後守の出品がなぜ増えているのか?今の所鑑定団の影響ではないと思われ、一人キャンプのブームのせいか、五代目の精力的な製作活動のおかげかはわかりませんが、永尾駒製作所の商品は入手に困る事はないですし、安く出品している出品者もいますのでお試しキャンペーンではないですが、初めての一本を入手しようとしている方はチャンス期だと思います。
ところがですね、もう一つの肥後ナイフ宮本製作所の剣聖宮本武蔵商標が実に品薄で正規ルートはほぼ売り切れとなっており、宮本製作所で何か起こっているのかな?と思えるほどです(人材不足による生産ダウンとか、鋼材不足とか、単純に経営難とか。だって宮本武蔵ナイフ切れるし安いもんな)。
追記:宮本製作所の現状
そういう状況に便乗して高値を付けている出品者もいるので定価の情報収集は怠ってはいけませんね。
今回は剣聖宮本武蔵と肥後守笹刃が安く出品されていましたのでまたぞろ購入しました。
白紙仕様の笹刃です。
四代目の紙が入っています。
笹刃はどんなメリットがあるのか?魚のお腹を捌くときには重宝しそうです。
あとは、カッコいい(と思うかはそれぞれですけど)くらいかな、工作の時に先端を使うとなると普通の肥後守でも違いはないですから。
肥後守は鉄臭いので料理には使わない、使えないと考えている方が多く、その点ではオピネルに軍配が上がっています。
確かに真鍮鞘は鉄の匂いが少しあります。
ステンレス鞘や鉄メッキ鞘(シルバー色のやつ)や今回の黒鞘は匂いが殆どないので料理に使えると思います。
料理と言っても本格的な料理ではなくフィールドで鶏肉をざっくり切って小枝を削って串にして野焼きしたり、魚を捌いたり、カレーライスを作ったりする程度には十分という事です。
仕様・自家鍛接鍛造(と思われる)
価格・定価3600円くらい
鋼材・白紙
全長・177ミリ
刃長・80ミリ
巾 ・13.5ミリ
厚み・3.5ミリ
刃角度・26度(刃先は小刃を施しているので更に鈍角)
さて、実際の使用感はと言いますと、これが実に素晴らしい!
バネの役割を持つフジツボ断面菊座のカシメの具合といい、研ぎ具合といい、実にいい感じなんです。
私は四代目の作った後期の商品に対して何度かダメ出しをする記事を書いてきましたが、四代目の良い作りの商品がこれほどまでに素晴らしいとは思いませんでした。
刃先には小刃が施してあり、この小刃がまたお手本のように美しい小刃でして、ザ・肥後守と呼んでもいいと思います。
箱出しでもかなり切れます。
この切れ味はオピネル派を黙らせるのに十分でしょう。
これで3600円前後とはお値打ちだと思いました。