小刀のメンテナンス

梅雨がやっと終わりました。
梅雨時期は刃物が錆びやすいです。
ネットで検索してみますと刃物の錆対策としてよく見かけるのが黒染めです。
よくわからない液体に漬けると黒く染まって錆難くなるというのです。
あと、意図的に黒錆を付けて錆を防御するらしいのですが、こういった事をするのはアウトドアライフを楽しむ人に多く、木工家の方はあまりこのような錆対策はしていないようです。
小刀などは酸化鉄をまとったいわゆる黒打ちという方法を取っていることが多いですし、たまに使用するアウトドアとは違ってほぼ毎日使用する職人にとって道具の手入れは基本ですから錆対策などしなくても良いわけです。
職人さんなどは毎日研いでいる方も多いようですし。


(4分30秒くらいのところで指物師の朝は刃物を研ぐことから始まるとありますがまさか全ての刃物ではないと思います)

しかしですね、職人じゃなきゃ小刀を使ってはいけないということでもないですし、兼業木工家や趣味でたまに小刀を使用する方にとって錆問題は深刻な問題だと思います。
一週間ぶりに小刀出したら少しだけ錆びていたなんてよくあることですから恥じることでもないと思います。

それで冒頭の錆対策に戻るわけですが、黒染めや酸化鉄のメソッドですが、あまり錆対策にはなっていないようです。
「やらないよりはマシ」
という感じでしょうか。

私は新品時にクリアラッカーを鞘や刀身に塗ることによって絶大な錆対策をしています。

オススメはワシンのサンディングシーラーです。

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黒い部分や裏の一部にも塗ります。
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このような方法はかなり大胆のようで、ネットを検索してもこのような事をしている人は少ないようですが、実は新品の包丁やナタなどにラッカーを塗っている事は多いのです。
多くの人が直ぐにラッカー剥がしをしているようですが、私は逆に塗っているのです。

鞘は手に食い付くようにフィットしますし緩い鞘もピシッと収まるようになります。

錆に対しては最高の対策となります。
研ぎの邪魔になるような部分には塗らないのでここは錆ますが、この部分はいつも研いでいますからあまり錆びないのです。

刃物のお手入れでよくみかけるのは椿油ですが対策としてはイマイチですしベタベタするは高価だわで、どうにも敬遠してしまうのです。

一度試すと止められない方法だと思います。
刷毛で塗ると15分ほどで乾きます。

※今回近所にワシンが無くて他社のラッカーを塗りましたが乾燥に三日も要して辟易して遠くのホムセンに買いに行きました