フリマサイトにて、かなり珍品な小刀が出品されていまして、1500円と安かったので即座に購入。
柄の部分がヤスリ目になっています。
「ヤスリを改造したお手製じゃないの!」
もちろんそういう事なんですが、この裏スキの仕事は玄人仕事と見ました。
ナイフメイクの世界に入って行く時、先ずは五寸釘などを熱して叩いてマイナイフを作る方が多いです。
そして次に市販の鉄ヤスリを焼き戻して成形して焼入れをするヤスリナイフへと移行し深みにハマっていくというコースがありますね。
表の写真を見た時に、このナイフもそういう方が作ったのかな?と思ったのですが、裏スキを見た時に「鍛冶屋さんが作ったモノだ」と直感的に思ったのです。
購入手続きをすると出品者の方からメッセージが入りました。
「この小刀は釣具を作製するための小刀としてヤスリ職人の方に製作をお願いしたものです。ヤスリ職人がヤスリを作った後自ら小刀職人に発注してできたモノです。今では高価になりすぎてこのような真似はできませんね」
おお!知りたい情報をほぼ教えていただきました(聞いてないのに有り難い)安価な商品で根掘り葉掘り聞いても失礼かと思っていましたので助かりました。
どうやら昔に金物店か問屋さんを経営していた方なのか、なかなかレアな刃物を出品されていました。
釣具の作製とは?
餌木のようなモノでしょうか?
画像はwikipedia餌木より引用
ルアーのようなモノでしょうか?
それともヘラウキのようなモノか?
詳細は不明ですが、かなりの珍品だとは思います。
まぁ、現在でもお金を出せば作ってもらえるのでしょうけど、フリマサイトから出たデットストックというのが面白いではありませんか。
仕様・鍛冶屋によるヤスリ改造品
価格・1500円
鋼材・SK5より低いグレードか
全長・195ミリ
刃長・42ミリ
巾 ・21ミリ
厚み・4.5ミリ
刃角度・29度
個人的採点・見て楽しめる小刀です。切れ味は二の次かな。
実際にヤスリを使おうとすると刃部分が怖くて無理かも。
何かしらカバーを作らないとダメですね。
刃角度が29度でさらにガッツリ小刃が入っていますので切れ味が悪いです。
とりあえず小刃を取ろうと試みましたが中々に硬い鋼で今回はハマグリに近い形にするのがやっとでした。
裏も平面ではなくてダイヤ砥石で平面にしないとダメかな。
追い追い使って研いでいきたいと思います。
現段階の研ぎでもかなり切れるようになりましたので将来が楽しみです。
これ、カバーを作ってもっと研いだら楽器製作に使えますね。
ネックの成形に活躍しそうです。
楽しい小刀に巡り会えました。