こんな刃物が欲しい!と思ったら

こんな形の小刀があったならいいのにな。。。
と思った事のある方は多いのではないでしょうか?
市販の小刀を買ってみて最初は満足なのですが人間ですから、飽くなき欲求が出てきて

「もう少し厚みが欲しい」
「形は好きだけど刃角度が鋭角だといい」
「握る部分が気に入らない」

など細かい部分の変更が欲しかったり、特殊な作品を作るために全く新しいオリジナルの形の小刀が欲しくなったりする事もあるでしょう。

そんな時は自分で作る人もいます。
鋼を買って窯を作ってコークスやら炭やらブロワーやらを用意して。。。(初期投資だけで3万くらいはかかるかな)
というのも楽しいのでしょうが都会の方には窯を用意することさえ難しいので、やはり鍛冶屋さんに特注するという事になるでしょう。

特注というと高価なイメージがありますが、小刀だと一万円程度でできると思います。
既製品を大きく逸脱して曲がったり捻ったり無茶な注文だとそれなりに高くなるでしょうけど。

さて、特注をする時には口頭で説明するのが普通だと思うのですが、

「厚みは3ミリくらいで刃角度が22度くらいで握りやすい感じで…」

というように細部が伝わりにくい場合があると思うのですね。
そういう時は設計図を書くのもいいのですが、一番良いのは『模型』を作る事なのです。

木工家は良く模型で小刀を作って持ち込み同じ小刀作ってくださいとやるようです。

ということで今回東大吉両刃小刀の握りがいい感じだったので同じサイズで片刃の小刀を特注しよう!という設定で模型を作ってみました。




材料はアガチスという杉に近い木です。柔らかいけど密度が高めで削り易い木です。
厚さが5ミリで幅は30ミリ。
厚目の小刀が欲しいので厚みはこのままでいいです。


東大吉の小刀をあてて線描しました。


小刀で削り進めていきます。

今回の刃角度は25度にしたいので三角関数を使って幅を割り出します。

5分程でできます。

裏は千代鶴風

細部、特に握りに関係する横部分の丸みなどを丁寧に削り出して

完成

こういうのを持って行って(送って)特注すると鍛冶屋さんもとてもやりやすいようです。
包丁なんかも同じやり方で特注するといいかもしれませんね。
(鍛冶屋さんによっては嫌がる場合もあるので先ずは問い合わせしてみましょう)