東大吉・切り出し小刀18ミリ

オークションにて30年前の東大吉切り出し小刀18ミリが即決価格3000円にて出品されていましたので即座に落札しました。
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手持ちの東大吉横手小刀との比較もしてみたいですし。
東大吉横手小刀は切れなくて悪戦苦闘した後に徐々に切れ味が増してきたんですよね。

切り出し小刀はどうなんでしょうか?楽しみです。
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全体的に物凄く丁寧な作りです。
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鍛接跡がありません。
身厚が2.3ミリと薄い事から利器材(複合材)を使用して焼入れなどは火造りでしていると思われます。
東大吉さんの切り出し小刀は利器材使用がかなりあります。お買い得でもあるので今回のレポは自身にも重要です。
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最近(10年以内)の東大吉小刀には「名匠」など自画自賛の銘が打ってありますが30年前はおとなしい銘です。
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前の持ち主さんが丁寧に研ぎ上げてくれていました。

仕様・利器材鍛造火造り
価格・3000円(オークション)
鋼材・不明
巾・17.5ミリ(半端な数値ですが一応18ミリとしました)
厚み・2.3ミリ
刃角度・18度
個人的採点81点
コストパフォーマンス(実勢価格7000円として)74点
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刃角度18度と厚みが2.3ミリって…ほとんど接ぎ木小刀と言っても良いのではないでしょうか。
木工用としては薄すぎではないかな?

と、思いつつ杉材を切ってみますとサクサクと切れるではありませんか!
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25度以上の小刃が大きめに入っています。
写真ではわかりにくいですが肉眼でも凄い小刃というのがわかります。
木材を切る場合、流石に17度のままでは刃先が持たないでしょう。
刃先のコントロールも難しいです。
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全体的には雰囲気があって手に馴染みやすいです。
そして魔性の切れ味の片鱗が見え隠れしています。
今後が楽しみです。