オークションに東大吉(あずまだいきち)小刀が出品されていました。
専門ではないので詳細は不明です
的な事が説明されていたのですが写真を見るとどうやら両刃のようです。
東大吉さんはナイフ製作も専門でされていたので両刃も得意なはずなのですが和式小刀で両刃というのは見たことがありませんでした。
…これは是非一度見てみたい。
少しライバルがいましたがなんとか落札できました。
木工で使うような両刃小刀というのは意外に多くないです。
(土佐刃物ではよーく目にしますが)
実際入手が容易なのは肥後守タイプが多く、竹とんぼや、フィールドで荒っぽく使用するというイメージが定着している感があります。
しかし、バイオリン製作等ではバイオリン小刀といって両刃小刀をよく使うようです。
切り込み具合が楽器製作に適していたり、欧米は左利きが多いとか、左右別々の小刀が不要だったり、砥石の問題だったり、様々な理由で両刃小刀が受け継がれてきたのでしょう。
(単純に裏スキのある刃物が作られていないというのが一番の理由かも)
両刃小刀は片刃小刀とは使い方が少し違いまして、力の入れ具合や、もちろん研ぎ方も違います。
人によっては好き嫌いがあり意見の別れるところです。
刃角度が鈍角に仕上げてある場合が多く硬い木材や竹に有利という面もあります。
私は片刃小刀のほうが好きですが、両刃小刀もたまに研いでみたりしたくなリます。
青鋼という刻印ですが今までの傾向からすると青紙1号でしょうかね。
新品(長期在庫品か)なのに刃先ガタガタで割り箸さえも全く切れません。
東大吉小刀は
研いだら切れるようになるんだから自分で研げよ。その分安くしといてやるからよ
と、言ってるような気がします。
早速研いでみたのですが、驚きました。
(とりあえずシャプトン2000番で)
多層鋼が出てきました。
多層鋼はあまり好きじゃない私です。
見た目も好きじゃないですし、木材の切れ味に関係ないように思えるし、研ぎ味もあんまり良くないし、本当に折り込んだ多層鋼ってのは少なくて最初から母材として完成しているのを使っている場合が多く、そのくせ高いという、あんまり良いイメージないです(偏見ですかね)。
5000番まで研いでみました。
とりあえずです。
時間をかけて育てていきますが今回はここまで。
仕様・両刃
価格・3800円(落札価格)
鋼材・青鋼
全長・205ミリ
刃長・52ミリ
巾・18ミリ
厚み・3.2ミリ
刃角度・25度
個人的採点・84点
コストパフォーマンス・定価不明な為採点不可
いやぁ、切れます、コレ。
かなり驚きました。
切った木材がツヤツヤに輝くし、切れが軽いです。
刃角度が25度という事で竹等も切ってみたいです。
両刃小刀の最初の研ぎに関してですが、最初から砥石にベタっとくっつけて研ぐと刃先のギザギザがなかなか真っ直ぐにならないので、最初は小刃を付けて、先ずは刃先を真っ直ぐに修正して、再びベタ研ぎをして小刃を消していく、というやり方をしています(あくまでも私流)
文章だけの説明ではわかりにくいのでいずれ図解で説明します。
東大吉小刀がまた好きになった私でした。