秋の夜長、たかだかスプーン一本製作するのにかなりの日数がかかっています。
仕事で疲れてしまってあまり触れていないのです。
一日5分とかチマチマチマチマ進めてます。
新たに丸曲がりノミを購入して彫り進めました。
手入れがてら冨田さんの小刀を出してみたらけっこう錆びていたので研ぎ直したりして、また時間が取られてしまって進行しないという事が続いています(小刀の巡回、手入れを兼ねての製作は大変です)。
ちゃんと椿油塗っているのに錆びる小刀が何本かあります。
この冨田さんの小刀は鋼材不明としながらも白紙2号の可能性が高いと思ってました。
白紙という鋼は炭素鋼ですから錆びにやや弱いと言われていますが、手持ちの白紙でも普通に使っていれば全然錆びない小刀もたくさんあります。
クロムが入った青紙という鋼は錆びに強いと言われていますが、何故か錆びやすいのもあるんです。
(黄紙や白紙や青紙という鋼は鋼の色の話ではなくて製造元の日立金属が製造するときの伝票の色の話です。ややこしいですね)
何故だろう?
鍛造工程中のやり方の違いで同じ鋼でも錆びやすくなったりするのだろうか?
それとも「青紙」という刻印を押すと売れるので白紙や黄紙に青紙刻印を打つというインチキ製品が存在するのだろうか?
真相はわからないのですが(冶金学に精通していれば何らかの理由を述べられるのかもしれません)、小刀それぞれの個性をいち早く理解して適切な手入れをするのが使い手の役目だと思っております。
関係ないですが、今年は虫の声があまり聞こえなかったなぁ。。。