オークションで購入した小刀です。
同じモノが二本出品されており、滑り止めで二本とも入札していました。
一本にライバルが出ましたが高値更新はされずに非常に安価で入手できました。
第一印象で良い小刀と思ったのでそのまま二本落札しました。
もう一本は私一人の入札でした。
というのは鞘が最後まで閉まらないと書いてあったからだと思います。
「鞘がダメなら壊して作り直せばいい」
というのが私の考えですから裏のカイサキといい、雰囲気といい良品に間違いないだろう!と確信しての落札です。
鞘と柄の木目は合っていませんので鞘と柄は同種異部の木材を使用しているようです。
反対を見てみると
色がものすごく違っていて蒐集家には不人気ポイントですね。
が、実践(戦)主義の私はあまり気にしません。
漆黒の佇まい。
切刃は鈍く光っている。
(中々だぞこれは)
裏には鍛接跡のカイサキが見えて自家鍛接だと思われ、「本職用」という刻印があります。
出雲とは島根県出雲市からきているのか?安来鋼の故郷の名前なのかな?
こんな勝手な想像をするのも楽しいものです。
仕様・自家鍛接鍛造火造り
価格・1400円くらい(オークション)
鋼材・不明
巾・22ミリ
厚み・3ミリ
刃角度・22.5度
個人的採点84点
コストパフォーマンス(定価不明の為採点不能)
古い小刀だと思いますがどれくらい古いかはわかりません。(40年前に新品購入したという記述を見つけました。真偽は不明ですがそれくらい古いような印象はあります)
とても良く切れます。
サクサク切れます。
これは良い買い物した!という感じです。
鞘が最後まで閉まらないとの事でしたが届いた当初は鞘が閉まっていました。
開けようとしても開かない!固くて開かない!これは困ったと思いまして真ん中の隙間に両刃の小刀をグイグイ入れてようやく開きました。
身の部分に蜜蝋を塗ったところスムーズに出し入れできるようになり、ピタリと吸いつくような鞘になってビックリです。
22.5度という刃角度のせいもあるのでしょうか、刃先が弱く直ぐにポロ欠けします。
多くの小刀は購入して直ぐの刃先は弱いです。
研いでいくうちに本来のポテンシャルを発揮します。
薄い部分はヤキが入りすぎてしまうと言われていまして、刃先を消耗すると一皮剥けると言いますが、真偽不明で諸説あるんです。
私は刃先に仕上げ砥石で小刃を入れてしばらく使います。
使いながら研ぎ減りさせて本来のポテンシャルへと育てます。
小刃を付けるのを繰り返すとやがて切れなくなります。
小刃切れという状態です。
こうなった時が好機で、そこからベタ研ぎをして本来の切れ味を引き出します。
妙に錆びやすいのが気になります。
鋼の関係なのか?今後ラッピングフィルムで研ぎ上げて経過を見ようと思っています。
出雲銘の小刀はちょくちょく出品されていますので安価にて入手できるチャンスです。
実践(戦)主義の方は是非購入してみてください。
追記:この小刀と水無月小刀は出雲小刀製作所の製品と思われます