一時期はいい加減なことをしてきたメーカーのせいで安物の代名詞のようになってしまった肥後守。
それらのメーカーは淘汰され、今では肥後守を語れるのはカネコマさんだけになりました。
肥後守型ナイフで良い製品は他にも沢山ありますが、それはあくまでも肥後守という商標を名乗ることは許されていない類似商品という位置付けです。
現在のカネコマさんは高級感溢れる肥後守や形の変わった肥後守などのラインナップを揃えて不名誉な(安物という)あだ名を返上しつつあると言えるでしょう。
なんせ、特別鍛造多層鋼などは1万円もするのですから。
昔を懐かしんで50歳以上のオジサマ達がこぞって購入してデスクの引き出しにひっそりと置いているというから驚きです。
この肥後守は「さざれ砥石」さんというショップで購入した2千円程度の「さざれオーダー」品で、普通の青紙よりもほんの少し厚みがあって
黒打ち仕様になっています。
肥後守の普及品は購入時の研ぎ傷が凄くて小刃が付いています。
グラインダーでジャージャーやって出来上がりって感じです。
安いからしょうがない、ちゃんと研いで出せば時間がかかるので値段に上乗せされてしまう、というジレンマが発生するのですが、カネコマでは「子供に適正な価格、求めやすい価格」の方を選択して「しっかり研げば凄く切れる」というメッセージを発信しているのです。
(もちろんそのままでも切れます。ですが産毛を剃ったり紙をシャーーーッと切ったりする程の鋭さがないというだけで鉛筆削ったりは余裕でできますので誤解なきよう)
研ぎ方は色々とありますが先ずはシノギ面(研ぎ傷のいっぱいある部分です)を研いで平面に仕上げつつ研ぎ傷を消していきます。
大理石で平面を確保して布ヤスリ80番〜120番でガリガリやります。
あとは平面の砥石さえあればほとんどできたも同然で、根気よく時間をかけて番手を上げて研いでいけば完成なんです。
難しくはないですが砥石の平面維持などが最初はできないかもしれません。
平面を出すには砥石をコンクリートブロックなどでゴリゴリして平面をだして挑戦してみましょう!楽しみながら!
研ぎのことを検索するとややこしい事ばかり書いています。
天然砥石の研ぎ味だとか研ぎ汁がどうだとか霞がどうとか、初心者の敷居を高くしているだけの記事が目立ちます。
肥後守や小刀を研ぐくらいならばキングの1000番(千円くらい)と仕上げに2000番の耐水ペーパー(40円くらいかな?)くらいで十分に切れるようになります。
何も、一刀が最後の仕上げになるような工作をしているわけではないのですから、まずは小刀や肥後守に慣れ親しめばいいのです。
安い金額でお試しをすればいいのです。
無事シノギが平面になり研ぎ傷も消えました。
ヘアラインはありますが、これ以上のこだわりは人それぞれでしょう。鏡面にしたければやればいい。
竹の割り箸も一刀両断できて切り口がツヤツヤです。
肥後守は購入時でもまあまあ切れます。
でも、一度研ぎ上げるとヤミツキ間違いなしです。
※追記。あまりにも簡単に書きすぎたのでもう少し突っ込んで書きます。書いたらリンクします。
割と本気で研いでみた