新品の小刀を自分好みに研ぎ直す

新品の小刀は、特に量産品は仕上げ研ぎが完璧ではありません。
ほとんどが「ボカシ機」という吹付け装置で砥の粉を吹き付けて日本刀のような刃線のゆらぎを演出しています。
これを「霞(かすみ)」という人がいますが違います。
1000番等の荒い砥石で水を少なくしてゆっくり研いでできる黒い部分も霞ではありませんし、そのままにしておくと荒い砥石の傷が残った状態なので錆びやすいです。
「霞研ぎ」の正確な定義ははっきりしていませんが天然砥石でゆっくり研いだ時に鋼部分と地金部分で色に違いが出る状態をいうのではないか?という説が有力です。

包丁等でもボカシ機の登場で
「お!日本刀みたいに刃が揺らいでいる!スゲー!」
といって購入する方が結構いるらしいのです。

しかしですね、ほとんどのボカシは機械研ぎでできた傷を砥の粉で埋めて見栄えを良くする為に使用されている、というのが現状だと思います。

ですから、ボカシ機で吹付けられた砥の粉を砥石で落としてみますと正体が現れてビックリします。
今回はオークションで購入した秀弘という小刀のボカシを剥がし研ぎしてみたいと思います。
同時に小刃を無くしてみようと思います。
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耐水ペーパー2000番で軽く剥いでみましたところ、地金部分が大きく凹んでいるのが見て取れました。
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…これは…かなりの凹み。。。ここまで平面じゃないと切れ味にかなり影響ありそうです。
こういうのは荒い砥石で水を少なくして研ぐと平面部分に色が付くのでわかりやすいです。
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シャプトン刃の黒幕オレンジ(1000)でかなりの時間をかけて研ぎましたがなかなか平面になりません。
30分以上は研ぎました。
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更に研いでみましたところ、刃に近い部分は平面になりましたが峰側の凹みがいくら研いでも平面にならないのです。
「これは参った…」
これくらい凹みがあると一回では直らないと思ってます。いや、5時間とか研ぐと平面になるんでしょうけど、この部分は切れ味にそれほど影響はしないと思いますので、今回は妥協点を見出すことにしました。
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機械研ぎの跡が見える裏も研ぎました。
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裏もかなり形が変わりました。
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なんと裏にも致命的な欠けが現れました。
この部分もかなり研ぎこみましたが深く凹んでおり、今回は妥協しました。
この部分は刃と反対側ですので大きな影響はないはずです。
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とりあえず刃の黒幕5000にピタリとくっつけて自己満足を得て終了としました。
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切れ味は向上して満足ですが裏押ししすぎて鞘が緩くなってしまいました。チャンチャン。

研ぎは十人十色の考え方がありますし、持ち主の力加減、手の大きさ、持ち方、用途、手持ちの砥石、様々な要因で千変万化しますのでブレない考え方を身につける事が大事だと思います。